2016 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌遠隔転移に関与する播種性腫瘍細胞を制御するmicroRNAに関する研究
Project/Area Number |
15K11295
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柳本 惣市 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (10315260)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 高播種性腫瘍細胞 / 高浸潤 / 遠隔転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,高浸潤能細胞と播種性腫瘍細胞に特異的に変化するmicroRNAの特定とそれが制御する分子の発現についての検討を行った。また引き続き,マウス遠隔転移モデルの作製を細胞数を調整しながら行った。 高浸潤能細胞と播種性腫瘍細胞に共通してfold changeするmicroRNAをデータベースで特定し,そのmicroRNAをparental cellおよび高浸潤能細胞に導入した。またデータベースで予測されたターゲット分子について,microRNA導入前後の発現の変化をmRNAレベル(RT-PCR)およびタンパクレベル(Western blot)で解析し,その発現を確認できた。 しかしながら,in vitroでの細胞生物学的特性の変化を検討するために,マトリゲルインベージョンアッセイやwound healing assayを行ったが,浸潤能の変化は認められなかった。 これについては,導入効率の問題もあるが,高い浸潤能と高い播種能力(あるいは転移能)との相関性が低い可能性も考えられる。またマウス遠隔転移モデル作製について,転移巣形成が得られないため,マウス末梢血および骨髄からターゲット分子の抽出を試みたが,発現の上昇はみられなかったためモデルの作製は困難と判断した。 したがって,再度ターゲット分子を変更して,細胞生物学的特性の変化を検討しているところである。これまで文献的に報告のあるANO1をターゲット分子として検討することとしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
microRNAの導入によりターゲット分子の変化は確認できたが,予想していた細胞生物学的特性は見いだせなかった.これは,その他の分子が関与している可能性あると考えられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現段階で,再度ターゲット分子を探すことはさらに時間を要する可能性あるため,播種性腫瘍細胞について,文献的に報告のある分子であるANO1に限定して,検討を行うこととする。最終的に本分子が口腔癌の播種性腫瘍細胞の特性に関与しているのではないかという仮説を実証することを目指す。
|