2015 Fiscal Year Research-status Report
自己由来フィブリンによる成長因子制御と幹細胞を用いた骨・粘膜再生テクノロジー
Project/Area Number |
15K11307
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
丸川 恵理子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (40419263)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノゲル / 骨形成 / 人工骨 / フィブリン / 成長因子徐放化 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都大学秋吉教授らが開発した多糖ナノゲル(CHP)と成長因子であるrhBMP-2を複合化させることで、BMPの徐放化に成功し、CHPよる骨形成能への影響の検討をおこなった。今回はラット背部皮下へ移植し、異所性の骨形成能を比較した。多糖ナノゲル架橋を生じさせた場合には材料内に細胞が入り込まずに、材料同士が融解・同化する傾向にあった。また、CHP/rhBMP-2とさらに人工骨であるβ-TCP を足場として使用した。架橋なしのCHPを用いた場合に有意に骨形成が促進された。その際、β-TCP にUV照射を行うことも重要であり、材料の浸透性を向上させた。3週、6週ともに同様の結果であり、rhBMP-2が1μgといった今までにないくらいの低用量でも骨形成が得られた。4μgにおいては3週の早い時期でも旺盛な骨形成が得られた。今後はF344 ラットを用いて、血漿であるPRP・PPPを作成し、ラット背部皮下異所性モデルと頭蓋骨欠損モデルを用いて、血漿であるPRP・PPPをさらに組み合わせた場合で、骨形成能を比較検討する。rhBMP-2濃度は今回の結果を踏まえて1μgで行う予定である。現在、IVIS を用いて in vivo で経時的に imaging し、rhBMP-2の徐放化を評価している途中である。また、ラット背部皮下における異所性骨形成モデルで、前述の条件と同様の実験を老齢ラット(1年齢)を用いて行い、現在その組織標本を作成し、検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多糖ナノゲル(CHP)を使用しないで、自己フィブリンであるPRPやPPPと人工骨であるTCPとの使用で、白血球有無による骨形成能の違いを評価する予定であったが、CHPを用いた研究を予定よりも詳細におこなっていくこととした。それ以外は、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はイヌを用いた顎骨欠損モデルを用いておこなっていく予定としていたが、ラットを用いた詳細な解析、ある程度の数を用いた評価を推し進めていく予定である。また、脂肪由来幹細胞をさらに併用した評価を行う予定であるが、現在脂肪由来幹細胞の採取法について確立している最中であり、その後、順次予定した研究をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
組織標本作成を外注する予定であったが、学内で作成したために、安く済んだことや共同研究者である京都大学より材料支給がなされたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は共同研究者である京都大学ではなく、当方から材料費代を出していく予定であり、ラットを用いて高額な抗体の使用等を予定しているため、その分を繰り越すことになる。
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