2016 Fiscal Year Research-status Report
歯の移動を促進する骨代謝活性化制御の新戦略:ナノ粒子を利用したDDSアプローチ
Project/Area Number |
15K11342
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石田 雄之 東京医科歯科大学, 統合国際機構, 特任助教 (00516297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淳一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (90313858)
岩崎 剣吾 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座講師 (40401351)
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00420258)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | SDF-1 / 矯正的歯の移動 / 移動促進 / ピエゾサージェリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、SDF-1/CXCR4シグナルと矯正力による歯の移動との関連を解明するため、SDF-1シグナルを競合的に阻害するAMD3100を用いて、矯正的歯の移動量や移動様式、歯槽骨に対する影響、SDF-1の歯根膜内発現量について調査した。結果として、歯根膜内圧迫側でSDF-1の発現が上昇することを国内外で初めて明らかにしたことの他、矯正的移動直前にAMD3100を単回投与することにより、歯の初期移動が抑制されるが、2日以降の歯の移動には影響を及ぼさないことが明らかとなった。その結果について、学術学会にて発表を行い、現在論文作成を行っている。また、AMD3100は非常に代謝の早い薬剤であるため、SDF-1/CXCR4シグナルがどのように矯正力による歯の移動に影響しているのか調査するため、AMD3100の投与方法を振り、どのタイミングでどのフェーズに関与しているのか、現在更なる調査を行っている。一方、コルチコトミーなどの意図的歯槽骨損傷に伴う歯の移動促進について、そのメカニズムに骨折治癒に伴う造血系幹細胞の局所集積に強く関与するSDF-1シグナルの関与が強く想定されることから、現在実験動物を用いて、ピエゾサージェリーを伴った歯の移動促進に、SDF-1/CXCR4シグナルがどのように影響しているのか調査を進めているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験モデル作成の手技が安定してきたこと、AMD3100の影響を矯正的歯の移動が強く受けていることが明らかであったため、研究の方向性がはっきりしたことで、研究の進捗が促進したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
繰り返しになるが、今後は、ピエゾサージェリーによる骨代謝活性化にSDF-1/CXCR4シグナルがどのように関連しているのかを明らかにすることで、歯の移動を調節したり、歯根吸収などの抑制が可能になると考えられることから、AMD3100を用いてSDF-1シグナルを抑制することが、それらにどのような影響を及ぼすか調査していきたい。また、SDF-1シグナルの過剰発現を促す方法について、今後とも研究協力者と共に開発していく予定である。
|
Causes of Carryover |
平成28年度に掲載予定であった論文が、作成に遅延が生じたため、論文作成にかかる費用について影響が及んでしまったことが原因である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度論文作成にかかる費用について、次年度使用額から拠出する予定である。
|
Research Products
(3 results)