2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of image-based dynamic finite element analysis method of mandible and elucidation of cause of torus
Project/Area Number |
15K11353
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中納 治久 昭和大学, 歯学部, 准教授 (80297035)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 下顎骨 / 応力解析 / イメージベース動的有限要素解析 / 衝撃解析 / 歯根膜 / 応力波の干渉 / 応力波の停留 / 多次元パラメータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、「下顎骨のイメージベース動的有限要素解析法の開発と骨隆起発生原因の解明」を目的に研究を行っている。これまで、マイクロCTを用いて歯と歯根膜を考慮せずに動的FEMに関する研究を行った。しかし、有歯顎に対して歯に加わる荷重を考える本研究では、歯と骨をつなぎ、衝撃力を吸収する役割を持つ歯根膜を考慮する必要がある。加えて、骨隆起と応力波の停留の関係性を調査するにあたり、応力波の停留を引き起こすような動的荷重条件ならびに幾何条件の探索を行う必要がある。そこで本研究では、応力波の停留を引き起こす荷重条件の探索を行うこととした。 まずは、有歯下顎骨のモデリングと荷重条件のパラメータ設定に関して、献体(18歳女性)の下顎骨をμCTによって分解能0.17 mmで撮像し、二値化処理などを施した画像を用いた。解析はイメージベース・モデリングはVOXELCON((株)くいんと)を用いて、歯根膜を考慮して行った。なお、本研究では荷重方向のみを変えた場合、および荷重をかける歯の本数を変えた場合の例解析を行った。 まずは、下顎左側第2小臼歯に荷重方向のみを変えた場合の例解析を行った。その結果、歯軸に近い荷重の場合には全体的な応力分布が小さくなり、歯軸から離れていてかつ頬舌方向ないしは舌頬方向に近い荷重方向の場合に全体的な応力分布が高くなる可能性が示唆された。 次に、2本の歯に異なるタイミングで動的荷重をかけた場合に,応力波の干渉が起こることで高応力部位が生じる可能性があるかどうか検討した。その結果、応力波の停留と言えるほど高応力部位は持続していなかった。 以上より、パラメータの条件によって応力分布に影響を与えることは確認できた。しかし、応力波の停留を起こすようなパラメータを探索するのは難しく、そのためにも多次元パラメータ空間の効率的なサンプリング手法の開発を行っていく必要があると考えられた。
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