2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of orthognathic surgery on facial blood flow analysis using the NIRS
Project/Area Number |
15K11374
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
遠藤 敏哉 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (80152015)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外科矯正 / 携帯型NIRS / 赤外線サーモグラフィー / 顎機能回復 / 機能訓練 / 循環動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、骨格性不正咬合患者に対する外科矯正症例を対象としデータ収集に努めた。また、それと平行して一般成人を対象として顎形態を3Dスキャナーで得た顎外形と、サーモグラフィー熱画像、携帯型NIRSでの頬部および前頭部測定結果についても分析を実施した。最終的に本研究で検討した手法は、外科矯正治療前後や治療中の顎口腔領域および脳血液循環の変化を、非侵襲的かつ連続的にモニタリングする方法として有効性を確認できた。外科矯正治療に伴う顎間固定期間中に生じる局所筋組織の機能低下を、30秒間の冷却負荷前後のNIRSから得られた酸素化ヘモグロビン濃度、脱酸素化ヘモグロビン濃度および総ヘモグロビン濃度の3つのパラメーターの値の変動から、生理機能的な評価が可能であり指標化に向けた基礎資料が得られた。 一方、前年度から検証を開始した冷却剤の圧接による影響に関しては、サーモグラフィ―では圧接直後に測定者全員で1.0℃未満の体温低下が生じ熱画像上も変化を認めたが、約1分間で低下域は消失していた。NIRS測定値についても、温度変化中心点のOxy-Hbは約1分で安定し、これら結果から圧接の影響は軽微であり、冷却効果に差を生じる要因とはならないことが確認できた。また、ヘッドホン型の補助機材を考案し、冷却負荷を規格化できる可能性が示唆された。 最終的な不正咬合患者の症例数はNIRSドライバ機材のSSDのダウンによるデータ喪失があり約20名と少数となってしまったが、手術法の差異による検討は可能となった。一般成人の対象者も30名以上が確保でき、基本的な測定システムの構築という研究目的は達成できた。 しかし、機能指標化に向けての基礎資料の蓄積は今後も継続する必要があり、特に今後のシステムの精度分析や指標の客観性の検討では、骨格性不正咬合患者の外科症例件数が確保できる関係機関との連携が必要と考えられた。
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