2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K11388
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水野 智仁 広島大学, 病院(歯), 講師 (60325181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加治屋 幹人 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (00633041)
岩田 倫幸 広島大学, 病院(歯), 助教 (30418793)
川上 秀史 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70253060)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 侵襲性歯周炎 / エクソームシークエンス / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
広島大学病院歯周診療科に通院する侵襲性歯周炎患者を発端として、常染色体優性遺伝と考えられる家系内において、侵襲性歯周炎を発症する他3名および、健常者4名の血液を採取し、DNA抽出後、アレグロソフトウェアを用いて、linkage解析を行った。その結果第3染色体および第7染色体に高いlodスコアを示す領域を確認した。その後、エクソームシークエンスを侵襲性歯周炎発症者3名(兄弟)で行い、アミノ酸置換を伴い、heteroな変異であり、健常者を含む他の疾患群のエクソームシークエンスの結果を参照に、7つの変異を本家系の疾患に関与する変異とした。その後、家系内でセグリゲーションを行い、linkage解析の結果を参照することによって、1つの遺伝子変異まで絞り込んだ。この遺伝子変異はSIFT,Polephen-2,Mutationtasterにおいて高い病原性の変異であることが予測された。 次に、TALENを用いてノックインマウスの作成を行った。ゲノム編集の結果、目的とするノックインマウスの他に、5bpのdeletionをもつマウス(ノックアウトマウス)も得られた。これらのマウスの第2臼歯に5-0の絹糸を結紮することによって、急性の炎症を起こし、歯槽骨の吸収の程度を評価した、その結果、ヘテロノックインマウス、ホモノックインマウス、ホモノックアウトマウスともにワイルドタイプマウスに比べて有意に歯槽骨が吸収した。 よって、本変異が本家系に発症する侵襲性歯周炎の原因遺伝子変異であることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本家系における原因遺伝子変異を同定した上に、そのノックインマウスおよびノックアウトマウスを作成できたことは、本研究を進める上で、順調な結果が得られていると考えられるから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度において得られたノックインマウスおよびノックアウトマウスの純化を進めていきたいと考えている。その上で、本変異によって侵襲性歯周炎患者において、著しい歯周組織破壊をおこすという病態メカニズムを、これらのノックインマウスおよびノックアウトマウスを用いる事によって、解明していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
ゲノム編集を外部機関に委託せずに、自ら行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本遺伝子変異の機能解析に使用したいと考えている。
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