2016 Fiscal Year Research-status Report
歯肉増殖症におけるカテプシンの役割の解明~多様なカテプシンKOマウスを用いた検討
Project/Area Number |
15K11393
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 明子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70511319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 博 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20155774)
西村 英紀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (80208222)
岩下 未咲 九州大学, 大学病院, 助教 (80611326)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯肉増殖症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者らがこれまで継続的に検討を続けてきたカテプシン活性と薬物性歯肉増殖症の研究成果をさらに発展させようとするものである。つまり、歯肉増殖に特に関与するカテプシンを特定し、それらの活性を促すことで、歯肉増殖症発生抑制や治癒促進に繋がるとの仮説を設け各種カテプシンの歯肉組織における機能を明らかにし、将来的に歯肉増殖症発生抑制や治療方法確立へ繋げることを目指すものである。 これまでに、in vitroではヒト歯肉線維芽細胞やマウス歯肉線維芽細胞、上皮細胞といった種々の細胞に歯肉増殖症を惹起しやすいニフェジピンやフェニトイン、サイクロスポリンを添加し、種々の遺伝子発現の変動を確認した。また、in vivoでじゃカテプシンLノックアウトやカテプシンBノックアウトマウスを用いて組織像の確認等を行った。これらの結果、これらのカテプシン間で比較すると、カテプシンLノックアウトにおいて、より歯肉増殖が惹起されることが明らかとなった。引き続いて、当初の研究計画では、カテプシンSノックアウトマウスを用いての動揺の研究内容の実施を予定していたが、産子が得られないため、これまでのin vitroの実験結果や世界的な最新の知見を参考に研究計画を変更し、カテプシンLを特異的に阻害することが知られているプロテオグリカンの1種を過剰発現させた、トランスジェニックマウスを作製した。このトランスジェニックマウスin vivoでの歯肉の形態や組織学的評価、歯肉組織における遺伝子発現などを解析する
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カテプシンSノックアウトマウスの産子が計画どおりに得られなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
カテプシンLを特異的に阻害することが知られているプロテオグリカンの1種を過剰発現させたトランスジェニックマウスを用いて、歯周組織を野生型マウスと比較する。また、それぞれの歯肉組織をホモジナイズして,コラーゲン,プロテオグリカン,接着性糖タンパクなどをウェスタンブロッティングでその分子量や分解の程度を検討する。各種マウス間でのそれぞれの分子量の違いからどの基質が影響を受け蓄積する結果,歯肉増殖症が発生するのかを解明する。
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Causes of Carryover |
実験計画の一部変更のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウスの飼育費として使用する。
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Research Products
(3 results)