2017 Fiscal Year Annual Research Report
Attempt of bone regeneration by RANK peptide using alveolar bone resorption model
Project/Area Number |
15K11401
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 禎 日本大学, 歯学部, 准教授 (00360222)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯学 / 再生医学 / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病により喪失した歯槽骨の回復は非常に困難である。近年、エナメルマトリックス蛋白やFGF-2などの歯周組織再生薬が開発されている。しかし、歯槽骨形成を直接促進する薬の開発は十分でない。最近、receptor activator of NF-kappaB (RANK) 様ペプチドは骨吸収抑制のみならず、骨形成作用を持つことが示された。また、我々は骨吸収が亢進した破骨細胞分化抑制因子 (OPG) 遺伝子欠損マウスが自然発症型の歯槽骨吸収モデルであることを見出した。本研究の目的は、我々が確立した歯槽骨吸収モデルにRANK様ペプチドを投与して、歯槽骨の再生効果とその作用機序を明らかにすることである。 歯槽骨吸収モデルへのRANK様ペプチド投与実験を行った。RANK様ペプチドは、3回/日の5日間皮下投与で、皮質骨の骨形成を促進することが示されている。A) 歯槽骨吸収を呈する12週齢のOPG遺伝子欠損マウスにRANK様ペプチドを3回/日の5日間皮下投与した。B) 投与前後のマウス歯槽骨をマイクロCTで撮影して、ヒトと同様にセメントエナメル境から歯槽骨頂までの距離を歯槽骨吸収量として測定した。C) 歯槽骨および大腿骨の骨量を測定した。これらの評価により、RANK様ペプチドによる歯槽骨の骨量の修復効果が見出された。H29年度は、RANK様ペプチドを投与した歯槽骨吸収モデルの生化学および組織学的に解析を行った。RANK様ペプチドの投与により、骨を吸収する破骨細胞数の減少が観察された。更に、RANK様ペプチドの投与により、骨を形成する骨芽細胞数の増加が観察された。これらの結果は、RANK様ペプチドが歯槽骨の維持および回復の両方に寄与し、新規の歯周組織再生薬として有望であることを明らかにした。発表実績として、W9ペプチド投与によるOPG遺伝子欠損マウスの歯槽骨喪失の改善効果について、第35回日本骨代謝学会および、第59回歯科基礎医学会学術大会にて公表した。さらに、本研究成果は、学術雑誌であるPLoS Oneに公表した。
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