2015 Fiscal Year Research-status Report
歯肉炎をスクリーニングするための唾液マーカーの創設
Project/Area Number |
15K11415
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山根 真由 岡山大学, 大学病院, 医員 (90745382)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 学 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
江國 大輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (70346443)
友藤 孝明 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80335629)
水谷 慎介 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90643312) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 歯肉炎 / 唾液LDH / MMP-9 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,岡山大学の学生20名(男性8名,女性12名,年齢 23±3.02歳)を対象に,歯肉炎のスクリーニングに有効なマーカー検索を行うための予備実験を行った.自己式質問票により生活習慣などの情報を得た.歯周精密検査(6点法)を行い,現在歯数,歯周ポケット深さ(PD),クリニカルアタッチメントレベル(CAL),プロービング時出血(%BOP),歯垢付着(PCR)を診査した。絶食時の安静時唾液を吐唾法によって採取して,唾液流量を計測した.さらに,採取した唾液中の細菌数,乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase:LDH)濃度,pH,およびマトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase; MMP)-9濃度を測定した.細菌数は,細菌カウンタ(Panasonic,東京)を用いて測定した.LDH濃度については,試験紙(PD-1,長田産業,兵庫)を1分間唾液に湿潤させた後に,10段階の色見本で算定した.唾液のpHは,リトマス試験紙を用いて色調の変化から評価した.MMP-9は,Hunman MMP-9 Quantikine ELISA Kit(R&D,Minnesota,USA)を用いて吸光度から唾液中の濃度を算出した.また,細菌カウンタ(Panasonic)を用いて舌背上の細菌数を測定した. %BOPと他の診査項目について相関関係を調べた結果,唾液中LDHとの間に有意な正の相関関係(Speramanのρ=0.550,P<0.01)がみられた.%BOPとMMP-9濃度との間にも有意な正の相関関係(ρ=0.467,P=0.033)がみられた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,予備研究を行い歯肉炎のスクリーニングに有用なマーカー検索のため、LDH,pH,MMP-9の測定を行った.一部のマーカーは未実施ではあるが,次年度に行う予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,まず予備実験のサンプル数を追加する.未実施のマーカーで歯肉炎との関連を調べる.次に予備研究で得られた結果をもとに,疫学調査で応用する.前年度に決定したマーカーを用いて大学生を対象とした横断調査を行う.なお,これらの対象者は前向きコホート研究のベースラインとする. 最終年度はコホート研究を行う予定である.再評価できた対象者のデータをもとに,実際に歯肉炎が発症した者,歯肉炎が増悪した者について,唾液中のマーカーの変動との関連を調べる. 以上のことから,歯肉炎のスクリーニングに有効な唾液中のマーカー候補を絞り込み,その妥当性を検証することを研究期間内の目標とする.
|
Research Products
(1 results)