2016 Fiscal Year Research-status Report
歯周病と糖尿病によるNASH肝がん発症機序における相互作用解析
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15K11420
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
古堅 麗子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (90253674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 俊行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (10170515)
林田 秀明 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (20238140)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯周病 / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞がん細胞株(HepG2, Huh-7, SK-Hep-1)とヒト由来肝細胞、ヒト単球系細胞(THP-1)とDMSOにより好中球様細胞に分化させたHL60を実験に用いた。歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalis由来LPSおよび大腸菌由来LPSで刺激後の各種細胞における細胞障害性および細胞増殖能をLDH Assay およびMTT Assayを用いて確認した。 肝細胞を各種LPSで刺激後の各種ケモカイン、接着因子(ICAM-1、P-selectin、E-selectin)発現の変化をELISA法およびReal time-PCR, Western blotting法を用いて確認したところ、歯周病原菌由来LPSによる刺激により、ICAM-1およびMMP-9の強い発現増加を認めたが、P-selectin、E-selectinの発現は、増加傾向は認められたが、有意な差を認めなかった。接着因子の中でも、より強く働く因子があることがわかり、リコンビナントプロテインの添加も含めて今後の研究方法について検討している。THP-1細胞では、各種LPSによりPTX3,TNF-αの培養上清中レベルの有意な上昇を認めた。レジスチンについては、上清中レベルの増加傾向が認められたが有意な差ではなかった。また、PTX3の上清中レベルの増加については、歯周病原菌由来LPSにおいては、大腸菌由来LPSと比較して低い濃度ではレベルの上昇が保頓悟見られず、TLRレセプターの違いが、結果にも影響した可能性がある。さらに、好中球様に変化させたHL60をLPSで刺激すると、MCP-1,IL-8の培養上清中レベルが有意に高くなったが、レジスチンの上清中レベルの増加は、わずかであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝細胞を各種LPSで刺激後の各種ケモカイン、接着因子(ICAM-1、P-selectin、E-selectin)発現の変化をELISA法およびRT-PCR, Western blotting法を用いて確認したところ、歯周病原菌由来LPSによる刺激により、ICAM-1およびMMP-9の強い発現増加を認めたが、P-selectin、E-selectinの発現には、有意な差を認めなかった。接着因子の中でも、より強く働く因子があることがわかり、リコンビナントでの添加も含めて今後の研究方法について検討している状況にあり、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
24ウェルプレート下層にとヒト由来肝細胞と肝細胞がん(HepG2, Huh-7, SK-Hep-1)、上層のインサート部にヒト単球系細胞(THP-1)か好中球様細胞に分化させたHL60、ヒト由来単球、好中球を入れ、共培養するための条件を整える。また、共培養時の遊走程度についても解析する。共培養システムにおいて、各種LPSで刺激後の各種ケモカイン産生、ROS発現、接着因子発現について、ELISA法およびRT-PCR, Western blotting法を用いて確認する予定である。
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Causes of Carryover |
実験が共培養システムの構築までは進めなかったため、購入予定ではあるが、まだ購入していない物品が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験が進み、培養システムを構築した時点で、高額な抗体やプレートなどを購入予定である。 24ウェルプレート下層にとヒト由来肝細胞と肝細胞がん(HepG2, Huh-7, SK-Hep-1)、上層のインサート部にヒト単球系細胞(THP-1)か好中球様細胞に分化させたHL60、ヒト由来単球、好中球を入れ、共培養するための条件を整える。また、共培養時の遊走程度についても解析する。各種LPSで刺激後の各種ケモカイン産生、ROS発現、接着因子発現について、ELISA法およびRT-PCR, Western blotting法を用いて確認する。細胞増殖生存活性の変化および各種ケモカイン産生、ROS発現、接着因子発現の変化を解析し、高血糖状態でも同様の解析を行い比較する。
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