2016 Fiscal Year Research-status Report
自立高齢者における口腔カンジダ症リスク要因究明のためのコホート研究
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15K11425
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
岸 光男 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60295988)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔カンジダ菌 / 地域高齢者 / 追跡調査 / 定着要因 / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
対象と方法:平成26年5月に研究対象とした266名(男性115名、女性151名、平均年齢72.3歳)の継続調査を試み、平成27年の205名に続き、185名(男性78名、女性107名、平均年齢73.8±7.0歳)の協力が得られた。調査方法は前2年と同様に口腔試料のクロモアガーカンジダ培地(CHROMagerTM)による培養とアンケート調査である。また、平成26年の断面調査結果を詳細に分析し、口腔カンジダ菌の分布と関連要因ついて分析した。さらに、平成26年と27年のコホート調査結果を比較検討した。 結果:C. albicansおよびnon-albicansはそれぞれ142人(53.4%)および63人(23.7%)の参加者に検出された。 多項ロジスティック回帰分析は、:C. albicansの定着要因が「未処置う歯の保有」と「自宅からの避難」であることを明らかにした。定性的分析では non-albicansの定着要因は、「80歳以上」、「残存歯数」、「義歯使用」、「肥満」であった。 一方、定量的分析ではのC.albicans量に関連する測定項目はなく、non-albicans量は「歯の数」および「高血圧」と有意に関連していた。以上から、定着及び保有量に関する要因は、C. albicansとnon-albicansでは異なることが示された。 さらに、口腔の状態以外に、全身および生活条件は、災害後の地域に住む高齢者の口腔カンジダ菌の分布に影響すること明らかとなった。また、年度間の比較では、両年度調査ともカンジダ菌が検出された者はいずれの菌種においても菌量が多く、1.1 log CFU/ml付近をカットオフ値とした場合に両年度とも検出される者が高い尤度比で識別可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象地域は沿岸の被災地であり、人口の流出が続いているにもかかわらず、平成26年の初回調査時の対象者266名中、平成27年には205名、平成28年には185名と、初年度に対死、3回目調査でも約70%の対象者が継続参加しており、研究計画で示した微生物学的資料ならびにアンケートによる主観的情報の採取はそのすべてから採取した。また他の身体情報との比較検討について、対象者から同意を得ている。今年度は初年度調査と2年目調査の分析・検討並びにその公表に至っており、研究は概ね順調に進展していると自己評価するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画上の臨地調査による試料採取は終了した。今後はこれまで集積したデータのより詳細な解析を行い、順次公表していく予定である。
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Causes of Carryover |
アンケート分析に適した解析ソフトの選択に時間がかかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アンケート解析用統計ソフト、アンケート、データ解析用PC、学会発表、、論文校正、論文掲載料
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Research Products
(3 results)