2016 Fiscal Year Research-status Report
低濃度フッ化物による老化・寿命制御の分子機構の解明
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15K11433
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
荒川 浩久 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00130906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Bhawal Ujjal 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50433339)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低濃度フッ化物 / 老化・寿命 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
12週齢のHIF-1αトランスジェニックマウスの大腿骨から採取した骨髄細胞を、10%PBS、50ng/mL M-CSF、15ng/mL RANKLを含むα-MEM培地で7日間培養し、F添加の有無による影響を解析した。骨芽細胞の活性化は、分化マーカーである1型コラーゲン、Alkaline Phosphatase (ALP)、Osteopontin (OPN)、 Osteocalcin (OCN)、Bone sialoprotein (BSP)、また破骨細胞分化制御因子としてreceptor activator of nuclear factor-κB ligand (RANKL)、osteoprotegerin (OPG)、macrophage colony-stimulating factor (M-CSF)の発現をリアルタイムPCR法より評価した。破骨細胞の分化は、酒石酸抵抗性フォスファターゼ (TRAP) 染色およびPit Formation Assay法(SEM法)より解析した。また、破骨細胞活性化はウェスタンブロッティング法よりカテプシンK、MMP2、MMP9の発現を評価し、ゼラチンザイモ電気泳動よりMMP2、MMP9の活性化を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HIF-1αトランスジェニックマウスの作成はうまくいったため、免疫染色法およびWestern blot法により転写因子の発現解析が可能になり、老化・寿命制御の分子機構に着目できる。
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Strategy for Future Research Activity |
12ヶ月齢のHIF-1αトランスジェニックマウスを使用する。マウスの健康状態を観察後、抗生物質を服用させ、口腔常在菌を減少させた後、PBSで作製し、NaF 粉末をイオン交換水に溶解して調整したμMレベルの低濃度Fを常時摂取させる。 F投与後、1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月で屠殺後、試料を回収する。歯槽骨吸収量の評価は、マイクロCTによる解析、およびFLOVEL タブレット操作型ビデオミクロメータを用いてセメントエナメル境から歯槽骨頂までの距離を測定することで行う。また、骨芽細胞活性を評価するため1型コラーゲン、ALP、OPN、OCN、BSPの発現を免疫組織学的に評価する。破骨細胞活性を評価するためTRAP染色およびカテプシンK、MMP-9、MMP-2の発現を免疫組織学的に解析する。これらよりF摂取による骨吸収、炎症、破骨細胞活性化に及ぼす影響を評価する。
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Causes of Carryover |
学会参加費が少なく、論文投稿もしなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度は国内・国際学会に参加、発表する予定で、それに出費する。また、論文投稿を行う予定でそれに出費する。
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