2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔がんの周術期における栄養管理に着目した低栄養予防効果と予後に関する臨床研究
Project/Area Number |
15K11439
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
酒井 理恵 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (90621277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱嵜 朋子 九州女子大学, 家政学部, 教授 (60316156)
角田 聡子 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (70364156)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10285463)
岩崎 正則 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (80584614)
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20301442)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔がん / 栄養管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、口腔がんの治療に対して歯科医師と管理栄養士が連携することで、専門的な栄養管理により術前術後の治療に要する適切なエネルギー量や栄養素の摂取が担保され、低栄養(体重減少)の予防とその予後について検討することを目的とする。また、本研究により得られた成果を基に、栄養管理の視点を組み込んだクリニカルパスの構築などに繋げることで、合併症のリスクと在院日数の低減、低栄養の予防、患者QOLの向上ならびに健康寿命の延伸などを図ることを最終的な目的とした3年目である。 29年度は、九州歯科大学附属病院の歯科医師、管理栄養士と検討を重ねながら、対象患者である口腔がん患者に対して入院後速やかに調査の実施を始めた。その後、管理栄養士は患者の身体状況(身長、体重、BMI)、栄養状態(血液生化学データの血清アルブミン値を中心に)、身体活動量、侵襲たストレス因子などを考慮して、エネルギーおよび必要な栄養素の給与目標量を算出し、食事だけで不足する場合は免疫賦活製剤で給与目標量を摂取できるよう、栄養アセスメントを実施し、口腔内の状態を含めた栄養管理計画書を立案した。この栄養管理計画を患者もしくは家族に説明後、多職種で協同して実施した。また、医師の指示のもと、入院中および退院時には栄養食事指導を随時実施した。入院中は、計画の実施状況をモニタリング・評価を行い、未改善の場合は再度栄養管理計画書の見直し、修正を行った。退院後も、管理栄養士は歯科医師と連携を取り、外来栄養食事指導を適宜継続的に実施することで、患者の栄養状態の維持・改善に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
栄養管理実施体制については、昨年度NSTが本格的に稼働し始め、定期的にカンファレスなども実施できている。しかし、年間を通じて管理栄養士と看護師のマンパワーが慢性的に不足していたことと、研究代表者の所属先が変わったことによる業務多忙により、調査および栄養指導などに十分な時間が確保できなかった。また、血液生化学検査が外部委託になったことや電子カルテの導入など、病院組織や体制が変化した。そのため、対象者の抽出と調査や調査協力が当初の計画通りに進んでおらず、解析に必要なn数が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は、管理栄養士の補充が完了し、栄養管理体制および院内の協力体制も整いつつある。そのため、歯科医師には調査対象者を速やかに選定していただき、管理栄養士は患者の身体状況を把握後、栄養状態アセスメント(エネルギーおよび栄養素の給与目標量の設定、免疫賦活製剤の選択、食事形態の検討など)を実施して、栄養管理計画書のスピーディーな立案に繋げる。これに基づき、歯科医師をはじめ多職種で協同して栄養管理・指導を実施して、解析に必要な対象者数を確保しながら進める予定である。
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由) 29年度は、管理栄養士および看護師のマンパワー不足で調査体制が十分でなかったことと、調査対象者数が十分でなかったこと、血液生化学検査が外部委託となり検査項目の見直しなどから、検査代予算の使用がなかった。 (使用計画) 30年度は、対象患者の情報を速やかに収集し、これまで繰り越した予算を順次正当に使用する予定である。主に、国内の学会での情報収集、調査データの収集および入力作業に係る人件費、入力データの確認や研究進捗の内容および解析などの打ち合わせに必要な旅費についても、適宜正当に使用する予定である。
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