2016 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部姿勢制御と呼吸相制御に同期した随意運動介助型電気刺激療法の開発
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15K11450
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鮎瀬 てるみ 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (00284703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮎瀬 卓郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20222705)
三串 伸哉 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (20507769)
神津 玲 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (80423622)
山口 仁平 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (80437871) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 嚥下性無呼吸 / 息こらえ / 横隔膜筋電図 / 腹直筋筋電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
嚥下中には舌骨上筋群など直接関与する筋群の他に、頭頸部屈曲を調節する頭頸部深層屈筋群(頸長筋、頭長筋)や、呼吸相を調節する呼吸補助筋(胸鎖乳突筋)などの関与も重要である。頭頸部深層屈筋群の機能低下が代償性に呼吸補助筋である胸鎖乳突筋の活動性に大きな影響を与える事が分かっていて両筋群の相互作用は特に重要である。従来、嚥下障害に対する随意運動介助型電気刺激療法は舌骨上筋活性を利用した方法だけで、姿勢制御と呼吸制御を考慮した治療法は無かった。 そこで本研究では、嚥下中の頭頸部深層屈筋群と呼吸補助筋群との同時解析を行い、頸部姿勢制御と呼吸相制御の両方に同期した随意運動介助型電気刺激療法を開発して嚥下障害に対する全く新しいリハビリテーションの治療法を見出そうとするものである。
まず、研究の第一段階として、呼吸補助筋(横隔膜、腹直筋、胸鎖乳突筋)などの呼吸制御の関与を中心にして、嚥下時に関連する筋群を効果的に電気刺激するために、基礎実験を行う準備が整った。 嚥下時には、嚥下性の無呼吸を同期させるために、息こらえに関連する筋群を測定する。 息こらえを調節する筋群として、横隔膜と腹直筋があり、嚥下時の呼吸パラメータと共に、測定する実験系を作成した。測定項目として、鼻での呼吸曲線、腹部と胸部でのインピダンスプレスチモグラフによる呼吸の運動、嚥下のフェーズの同定にオトガイ舌筋の筋電図、横隔膜の筋電図、腹直筋の筋電図を測定する。嚥下は自発嚥下とし、水(液体)、プリン(柔らかい流動食)、ビーフジャーキー(固い食物)とし、摂食体位は、座位(あぐら、正座)、イスでの座位(足底接地)、立位の3つで行う。それぞれの体位と食物形態で、どのような呼吸と嚥下の同期がなされているかを分析して、電気刺激療法に繋げる予定である。なお、雑音の少ない筋電図波形を得るために、Bagnoli社製の高機能筋電計を購入済である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
筋電図の測定に関して、ノイズ対策で障害があり実験系の作成に時間を要していたが、ノイズ対策に優れた筋電計を使用する事で解決したので、最終年度は測定を開始できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
嚥下中の嚥下性無呼吸の解析を行い、腹直筋と横隔膜に調節される嚥下中の息こらえが、どのような同期で行われているかを検討し、そのデータを応用して、息こらえの開始に同期させた電気刺激を行い、息こらえが、促進されるかを検討する。
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Causes of Carryover |
当初の実験計画が遅れているため、次年度に繰越となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験系が準備出来たので、29年度に使用予定である。
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