2016 Fiscal Year Research-status Report
ケアの負担軽減に繋げるための義歯に付与するプラーク付着抑制能の検討
Project/Area Number |
15K11452
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80264448)
中村 康典 独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター(臨床研究部), 歯科口腔外科, 医長 (30315444)
上川 善昭 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (30332901)
藤島 慶 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50553153)
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 義歯衛生管理 / デンチャープラーク / ナノ銀粒子 / 鏡面研磨 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚弱高齢者自身やその介護者の義歯の清掃管理の負担を少なくするために,義歯自体に高いプラーク付着抑制機能を付与することを目的として,義歯レジン床に対して表面粗さを極力小さくし滑沢にしてデンチャープラークが付着しにくくする方法と抗菌性を有するナノ銀粒子を付着させる方法の2つの方法を同時に併用することを検討してきている。 義歯床レジンの表面粗さを小さくするために,エアロラップ鏡面研磨法の検討は,27年度の研究を引き続き行い,エアロラップ研磨の研磨時間によって鏡面粗さがほぼ変化がないプラトーになる時間が特定できてきており,その研磨時間においてのレジン床の研削量も計測結果が得られ、微量であることが確認できた。しかしながら,研磨前のレジン床の表面粗さによって、エアロラップ研磨後の表面粗さが影響されていることもわかってきた。義歯の粘膜面にデンチャープラークは付着しやすいため,エアロラップ研磨前の義歯床粘膜面の表面粗さを改善していくことがより滑沢な義歯床粘膜面をつくる上で重要であることが明らかになった。 ナノ銀粒子の義歯床への付着方法については、抗菌性の最大化が得られるマイクロ波照射とナノ銀粒子供給源の銀イオン水溶液濃度の条件を検討することであるが、現在3種類の銀イオン水溶液濃度を検討してきており,最もナノ銀粒子が付着する銀イオン水溶液の濃度を決定してきている。マイクロ波の照射条件については、これまで1種類のみであることから、照射時間の検討を進めつつある。 さらに、これらの方法を臨床的にどのような効果があるかを,細菌検査を行って明らかにしていく予定であり,準備を整えつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エアロラップ研磨の正確な研削量計測が問題であったが,ほぼ計測できたと考えており,ナノ銀粒子付着の銀イオン溶液濃度も目安を得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的に使用されている義歯について,本研究方法を適用して,その前後の細菌量を検討していく必要がある。また,義歯のエアロラップ研磨による義歯の表面粗さは,研磨前の表面粗さ状態に左右されるため,義歯製作作業模型の表面粗さの改善にも検討を加えたい。
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Causes of Carryover |
表面粗さ計測のための治具製作費用が,既存装置の少ない改造で使用することが可能になったことと,購入予定であったエアロラップ研磨装置の研磨メディア(40万円)の劣化が少なく次年度に持ち越したことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年から持ち越したエアロラップ研磨装置の研磨メディア購入を計画しており,さらに,患者の使用義歯を用いた臨床研究をすることから患者の状態把握のための装置(身長・体重計,体組成計等)の購入を予定している。
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