2017 Fiscal Year Annual Research Report
Does oral ingestion contribute to improved cognitive and physical functions in gastrostomy patients?
Project/Area Number |
15K11457
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
田村 文誉 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (60297017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
菊谷 武 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (20214744)
羽村 章 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (60162921)
町田 麗子 (榎本麗子) 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (00409228)
水上 美樹 日本歯科大学, 生命歯学部, 医療職員 (60735695)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 重症心身障害者 / 経口摂取 / 脳機能 / 摂食嚥下障害 / 経管栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、経管栄養患者における経口摂取の意義について明らかにすることを目的とし、脳機能、胃運動、呼吸と循環動態を測定した。対象は、本研究に同意の得られた、重症心身障害者9名(男性6名、女性3名、平均年齢48.1±12.4歳)である。対象者の経管栄養注入前安静時から注入後安静時までの間、functional NIRS 装置を用いて脳血流量を、胃電図計を用いて胃運動機能を、生体情報モニタを用いて動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍を測定した。本研究のプロトコールは、設定①経口摂取なし、設定②経口摂取あり、の2設定である。得られたデータの統計学的解析にはノンパラメトリック検定を行った。結果として、脳機能は、設定①の条件下で安静時に比較し、経管栄養注入時に242.93±194.91%と有意に増加した。また設定②の条件下では安静時に比較し、経口摂取時に524.43±585.74%、経管栄養注入終了時に647.29±851.31%と有意に脳血量が増加した。胃運動機能は、いずれの設定下でも有意な差は認めなかった。SpO2は、設定①では有意な変化はなく、一方設定②の条件下では、経口摂取時97.82±1.67%、注入終了後99.65±0.39%と有意に減少した。脈拍は、設定①の条件下でおいて、注入時107.26±10.60%、注入終了時117.66%を示し、安静時と注入時、注入時と注入終了時、安静時と注入終了時においてそれぞれ有意に増加した。以上の結果より、重度嚥下障害のため経管栄養により栄養摂取している患者に対し、少量でも一部経口摂取を取り入れる事は、患者の脳機能への刺激、という点で意義のあることではないかと考えられる。しかし、明らかな反応を示さない者もおり、その変化には個人差がみられた。脳障害の程度や意識状態などが影響している可能性がうかがわれた。
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Research Products
(1 results)