2017 Fiscal Year Research-status Report
タクティールマッサージの生理学的指標による効果の検証
Project/Area Number |
15K11465
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
上原 佳子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (50297404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 智子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60303369)
北野 華奈恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (60509298)
礪波 利圭 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10554545)
出村 佳美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (30446166)
安倍 博 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (80201896)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タクティールマッサージ / 生理学的指標 / 唾液中オキシトシン / 唾液中コルチゾール / STAI |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「健康成人女性のタクティールマッサージの効果の検証」として、13名(22.6±1.3歳)に実験を行った。各データの統計学的分析(対応のあるノンパラメトリック検定)結果は以下の通りである。 生理学的指標:唾液中コルチゾールは、〔安静条件〕(以下〔安静〕)前後で有意差はなかったが、〔タクティール条件〕(以下〔タクティール〕)で、実施後に有意な減少がみられた(p<0.01)。変化率では、〔タクティール〕で〔安静〕より変化率は有意に大きかった(p<0.05)。唾液中オキシトシンは、〔安静〕〔タクティール〕とも前後での有意差はなく、変化率でも両条件で有意差はなかった。心拍変動周波数領域解析では、HFおよびLF/HFではいずれも有意差はなかった。自律神経活動全体の活性度を表すTPにおいて、〔安静〕前後では有意差がなかったが、〔タクティール〕では実施後に有意に増加し(p<0.05)、変化率では、〔タクティール〕で〔安静〕より変化率は有意に大きかった(p<0.05)。 心理学的指標:STAIの状態不安得点は、両条件でも実施後で有意な減少がみられた(p<0.05)。変化率については、両条件とも減少したが、〔タクティール〕で〔安静〕より変化率は有意に大きかった(p<0.05)。これらのことより、タクティールケアにより、ストレスホルモンを減少させること、自律神経活動全体を活性させること、不安をより軽減させることが示唆された。 本年度で予定の補助事業期間は終了予定であったが、被験者数が予想よりも集められず、また、被験者と研究者の都合が合わなかったことも多かった。そのため、研究成果を得るのに十分なデータが集められなかったことから、1年研究期間を延長し、実験を継続することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予想より被験者が集まらなかったこと、また、被験者と研究者の都合が合わず、実験実施日の調整が難しかったことなどから、研究成果を得るのに十分なデータが集められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間は本年度までであったが、延長承認申請を行い、1年研究機関を延長して実施することにした。引き続き、対象者を募集して、実験を実施して、データを集め、タクティールマッサージの効果の検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
被験者を予想より集められなかったこと、また、研究者と被験者の都合が合わず、本年度中に実験日の設定が難しかった被験者が多かったことなどから、被験者への謝礼金、唾液検体分析に関わる費用などが予定よりも少なかったため、残額が生じた。 延長した1年で、本年度と同様に実験を行い、被験者への謝礼金、唾液検体分析に関わる費用などに使用する予定である。
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