2017 Fiscal Year Research-status Report
コンピテンシー・モデルに基づく看護職者のための倫理学習プログラムの開発と評価
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15K11467
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
片山 はるみ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90412345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 直貴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70200409)
村松 妙子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (90402255)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護実践 / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
明らかにした内容を日本看護管理学会において「看護実践における倫理的コンピテンシーの抽出」として発表予定である。 行動結果面接(Behavioral Event Interview, BEI)の手法に倣い、倫理的課題への取り組みに関するハイパフォーマーとして職場の長の推薦が得られた看護職者、または高度実践看護師を対象者とし、機縁法により連絡をとった。同意の得られた14名にBEIを行い、語られた体験を同意の後録音し、質的記述的に分析した。録音データをテキスト化し、文脈を損なわないように設定した記述単位に基づいてテキストを取り出してコードとし、類似性と相違性による分類と集合体へのネーミングを経て抽象化した。研究者間の議論により厳密性を確保した。 14名から得た903分の録音データを分析した結果、498コード、22サブカテゴリ、4コアカテゴリが抽出された。以下、【】をコアカテゴリ、[]をサブカテゴリとして示す。【善いケアに関する感性・価値を表現する】は[自分の持っている価値観(看護観)を表現できる]など3サブカテゴリから、【より善いケアは何かを思考しながら実行する】は[患者・家族が大切なことを話せる関係性を作る]など9サブカテゴリから、【より善いケアを提供するために間接効果をもたらす】は[善いケアの不全に対して葛藤・違和感を持つ]など7サブカテゴリから、【より善いケアの学習に向けて行動する】は[学習の機会に善いケアの実践への気づきを得る]など3サブカテゴリから構成されていた。得られた結果をSpencerらが示したコンピテンシー・ディクショナリーと照合し、コンピテンシーとして用いることの論理的妥当性を得た。 14名のハイパフォーマーを対象にBEIを実施し、得られた結果より看護実践における倫理的コンピテンシーを明らかにした。今後これらのコンピテンシーから評価尺度を作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
同意の得られた14名を対象者としてインタビューを実施した結果、予想以上のボリュームのデータが得られ、分析に時間を要した。現在、明らかとなったコンピテンシー・モデルを基にして教育プラグラムを構築中である。
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Strategy for Future Research Activity |
教育プログラムを実行し、評価尺度としてのコンピテンシーの検証を行うと同時に、看護実践における倫理的なコンピテンシーの発動をを継続して評価するための患者アウトカム項目の抽出と有意性の検証を行う。
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Causes of Carryover |
得られたデータのボリュームが予想より多く、分析に時間がかかり、公表が遅れたために旅費や論文作成のための資料整理の謝金等に余剰が生じたため。
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