2017 Fiscal Year Research-status Report
穿刺力に着目した成功率を高める採血技術可視化教育モデルの開発
Project/Area Number |
15K11472
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
新村 洋未 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70315703)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護技術 / 静脈血採血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は採血の手技のうち、特に個人差が大きいと思われる穿刺に着目して、成功率の高い採血のための教育モデルを開発し、その効果を検証することを目的としている。これまでの研究実績として、平成27年度に穿刺力を客観的に数値化して測定するための測定器の作成、および穿刺力を測定する際に穿刺対象となる血管部の深度、皮膚部の硬度が異なる6種類の血管皮膚モデルを開発した。平成28年度は熟練者の穿刺手技を初学者の手技との比較から明らかにするため、開発した測定器と血管皮膚モデルを用いて、熟練者15名および初心者5名の採血穿刺手技を定量的な測定を行った。29年度は、28年度に収集したデータ分析および初心者のデータの追加収集を行った。 その結果、熟練者の穿刺手技では、穿刺力、穿刺開始から血管挿入までの到達時間、穿刺時の針角度は個人差が大きく、最大-最小で3.5倍、4.3倍、3.1倍の開きがあった。また皮膚血管モデル別の穿刺力、所要時間、針角度は、垂直力・水平力は皮膚部が柔らかいほど、血管部が浅いほど小さい傾向があった。到達時間は血管部が浅いほど短い傾向があるが、皮膚部の硬度による違いはなかった。針角度は皮膚部が柔らかいほど角度がやや大きいが、血管部の深度による違いはなかった。モデルに関する主観評価から、皮膚部が柔らかいモデルほど高齢者の皮膚の想起につながっていた。これらの結果から熟練看護師は皮膚血管状態を見極めながら、特に高齢者の採血においては小さい力で穿刺する傾向があることが予測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
被験者の確保が予定数を下回り、データ収集が遅れている。そのため、分析、考察と全般的に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
追加のデータ収集、およびデータの分析を早急に終え、最終目的である教育モデルの提案につなげていく予定である。
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Causes of Carryover |
データ分析とその解釈が想定以上に時間を要したこと、被験者のうち書学者の選定を依頼している研究協力医療機関の新卒看護師採用者数が予定より少なかったことから、データ追加収集が計画通りに進めることができなかった。 全体の被験者数は当初予定数より少なくなるが、熟練者/初学者数を同数にして比較ができるよう計画を修正し、実施する。
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Research Products
(1 results)