2017 Fiscal Year Research-status Report
看護における移動動作支援時の介助者・被介助者双方の最適動作支援技術の開発
Project/Area Number |
15K11475
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
野村 明美 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (10290040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有澤 博 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (10092636)
佐藤 貴子 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (10401697)
根本 明宜 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20264666)
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
牧原 由紀子 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (20776041)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護 / 立ち上がり動作 / 介助者 / 被介助者 / 負荷評価測定器 / 良い介助動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、要介護者の支援時に、介助者、被介助者双方にとって最適な移動動作についてエビデンスをもとに明らかにすることである。今年度は、被介助者、介助者の力のやり取りを測定するための、独自の測定機器の開発を行った。【方法】「測定器」を簡単で実現可能な形にモデル化するために、介助者と被介助者は、1点だけの力のやり取りが行われるとし、その大きさと方向が時系列に測定できるシステムを構築し、実験によりシステムの有用性を検証する。実験対象:被介助者男性2名(70歳代、30歳代)、介助者女性1名(60歳代、看護職)。倫理的配慮:研究者が所属する大学研究倫理審査会の承認済(承認番号15-T-4)【結果】「負荷評価測定器」の作成は、1枚のボード上にデジタルフォースゲージ(FGP-50、以下ゲージ)を固定し、位置解析用のマーカー(LED)四つを配置した。2本の棒の片方にゲージをフックで取り付けた。介助者・被介助者が各棒を把持し、2者間にかかる張力と方向を測定した。介助力の方向はマーカーの画像を複数カメラに取り込み解析した。立ち上がり時、事例1(70歳代)の最大力は、A140.0N、B221.7Nであった。事例2(30歳代)の最大力はA139.4N、B151.6Nであった。方向は、力と同期し時系列変化を3次元で測定していることを確認した。【考察】A法(体幹前傾誘導あり)は、介助者の体幹が前傾することで、重心が関節中心に近づき関節モーメントが減少するため少ない力で立ち上がり、B法(誘導なし)は被介助者を上方に引っ張ることで体幹前傾より関節モーメントが大で大きな力を要したと考える。測定器は、正確に作動し力学的にも矛盾がなく「負荷評価測定システム」が有用であることを確認した。続いて「負荷評価測定器」を用い、立ち上がり介助における「良い介助動作」について検討するため実験を重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題遂行のために被介助者、介助者の力のやり取りを測定するための、独自の測定機器の開発に想定以上に時間を要した。その理由の一つに、研究代表者が初年度大学開設準備委員の任にあり、大学開設後も多忙を極めた。今年度機器の開発ができて実験を開始している。補助事業の目的をより精密に達成するために追加実験を実施しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
被介助者、介助者の双方にとって最適な移動動作を明らかにするために、今後開発した「負荷評価測定器」を用いて実験を重ねていく。その成果を還元するため、要介護者の立ち上がりを支援していく。国内の高齢者及び医療・福祉システムが異なるブラジル日系永住者の方々を支援していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究課題遂行のために被介助者、介助者の力のやり取りを測定するための、独自の測定機器の開発に想定以上に時間を要したため、計画内容が予定期限内にできない状況であった。その理由の一つに、研究代表者が初年度大学開設準備委員の任にあり、大学開設後も多忙を極めた。今年度機器の開発ができて実験を開始し、成果を2本日本看護研究学会に投稿し、採択された。2018年度は熊本で開催されるため、共同研究者及び研究協力者と共に参加し発表するため、その費用が必要である。また本研究の成果の還元として、国内の要介護者及び保険・医療システムの異なるブラジルの日系高齢永住者の皆様の立ち上がり動作を支援する。その費用を予算化したい。
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Research Products
(2 results)