2016 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病患者の手足の冷え症状を緩和するための背部温罨法の効果検証
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15K11476
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
塚越 みどり 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60405016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船越 健悟 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60291572)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 温罨法 / パーキンソン病モデルラット |
Outline of Annual Research Achievements |
1.パーキンソン病患者への温罨法の効果検討 四肢の冷え症状を自覚する本疾患の患者へ蒸しタオルによる背部温罨法を3日間行った。実施前後の主観はVASスケール(最大値:強く冷えを感じる~最小値:全く冷えを感じない)、前腕・下腿の皮膚温はサーモグラフィ、背部の筋の硬さはヤング率が算出できる柔さ計測システを用いて皮膚表面にデバイスを接触させ、押し込み圧は10Nで測定した。手順は座位安静後、50℃の蒸しタオル2枚(バスタオル)を二つ折にして重ね、ビニール袋に入れ背部全体を覆うように10分間貼布した。患者の手足の冷え症状は、実施前後に10cm のVASスケールで自己記入した。冷え症状、皮膚温の変化背部温罨法による皮膚の発赤、痛み、皮膚損傷は生じることなく終了した。対象者の実施前の冷えの自覚は、手:平均8.1±1.2、足:8.7±1.1で冷えを感じている状態で左右差はなかった。温罨法の実施後は手:平均5.2±1.4、足:6.2±1.5となり、わずかながら自覚症状が軽減した。実施前の皮膚温平均は、手背中央:29.6±0.6℃、足背中央は28.9±0.7℃、実施直後は手背30.7±0.4℃、足背29.3±0.5℃となった。 2)背部表層筋の硬さの変化 第七頚椎より10cm下方で脊柱線より10cm外側の背部の筋を測定した。実施前のヤング率平均値は20.5±5.2kPaであった。温罨法終了直後の平均値は17.4±7.2kPaとなり、実施前に比べてわずかであるが減少し、実施後は背部全体の軽さを自覚していた。 2.パーキンソン病モデルラットにおける知覚神経の投射 パーキンソン病モデルラットに逆行性標識を行い、背部皮膚および筋血管周囲へ投射する知覚神経、自律神経の分布について免疫組織学的手法により、検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は当初、計画していたよりも温罨法実験の症例数確保が難しかったため、平成29年度も引き続き被験者を公募している。動物実験については外部委託の疾患モデルラットの作成に時間を要しており、免疫組織学的な分析に至らず当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
温罨法実験の被験者については平成29年度も引き続き公募を行い、症例数の確保し冷え症状や温罨法による皮膚温の変化について分析を行う。動物実験については、疾患モデルラットの知覚神経および自律神経線維を標識する染色を行い、正常ラットとの差異、類似点について分析する。
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Causes of Carryover |
パーキンソン病モデルラットの作成、免疫組織染色のために平成28年度予算を確保していたが、疾患モデル作成は外部委託による方法が適切であるため、ラット作成に時間を要しており平成29年度に繰越せざるを得なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の疾患モデルラットの作成、作成した組織標本に関する免疫組織手法のために必要な抗体購入、画像分析、統計学的分析に必要なソフトウェアの購入を予定している。
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Research Products
(1 results)