2015 Fiscal Year Research-status Report
多職種(医師,看護師,理学・作業療法士,社会福祉士)倫理連携研修プログラムの開発
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15K11477
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
吉澤 千登勢 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (40461157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 孝子 聖徳大学, 看護学部, 准教授 (90331389)
飯塚 恵美 山梨県立大学, 看護学部, 助手 (10750250) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多職種倫理連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「多職種(医師・看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士)倫理連携」の研修プログラムの開発である。本年度は、研究者会議を、5月の学会(日本ハンセン病学会:多摩全生園)参加時に同時開催し、年間工程を確認して、次の活動を行った。1.各医療職が教授されてきた倫理・連携に関する教育内容に関する文献や論文を収集し理解を深めた。2.倫理・連携実践においてパイオニアである米国医療機関等への現状視察を企画し、3月18日~25日に実施した。視察研修では、まずワシントンD.Cの「米国ホロコースト博物館」を訪問した。ナチスドイツの、特に医師たちが行った身体・精神障がい者やユダヤ人に対する非人道的な医学実験(安楽死計画)が、戦後の国際軍事裁判において「ニュルンベルク倫理綱領(人体実験に関する被験者への説明と同意の重要性)」を明示するに至った現実について、展示物や米・英・露軍による映像資料等を介し精査することができた。次いで、ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC;Montefiore・Prebyterian)に移動し、(1)病院の組織体制と職種間・部門間連携について、(2)コンプライアンス、病院認証評価、患者苦情・満足度調査の活用方法、(3)NP(上級看護師)の診察・処方の見学、(4)ホスピス・緩和ケア、(5)病院倫理委員会について視察研修した。UPMCは、「米国患者安全運動財団調査」で非常に高い成績を挙げており、その最大の要因は、スタッフ間の情報共有の徹底化(PDCAサイクル)にあった。倫理・連携実践に関しても、質の高い医療やケアを提供するために、「患者の自己決定権の行使や意思決定のプロセス、医療職の説明責任、差別」など様々な観点から多職種が話し合い、倫理・連携実践のあるべき姿を検証し、グランドルール作りへとつなげていた。次年度の調査につながる貴重な視察となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「平成27年度の研究実施計画」である、1.各医療職の倫理・連携教育に関するシラバスやテキスト、先行研究に関する資料の収集、2.倫理・連携においてパイオニアである米国の現状視察研修は、予定通り実施することができた。2.に関しては、当初、研究代表者の吉澤が教育GPで採択(学際統合型専門職連携教育開発プロジェクト)を受け、以前にも調査研修をした米国のミシガン州立大学を第1候補に挙げていたが、米国の医学・看護学教育に関する文献に当たった結果、質の高い医療産業連携を実践しているピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)に変更した。UPMCでは、上記「研究実績の概要」で述べた内容で視察研修を行ったが、医療訴訟も含め、倫理・連携実践について具体的にプレゼンをしてもらい、意見交換を行えたので、本研究課題について、広い視野から考えることができた。そのため、次年度は、当該視察研修の内容について、研究者間で要点整理を行い、予定している質問紙調査に関し、新たな視点からの検討へと発展させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、平成28年度は、各医療職の倫理的実践能力と多職種と協働するために必要な能力を測定するための調査票(質問紙)を作成する。質問紙の作成については、全年度の米国視察研修で得た新たな視点を活かすために、まずは、研修内容の要点整理を行うとともに、引き続き、倫理・連携に関する書籍、論文も収集し、広い視点から検討していきたい。その後、「研究計画書」を精製し、研究代表者が所属する機関の倫理委員会の承諾を得て、年度後半に調査を実施する予定である。また、質問紙の作成にあたっては、研究代表者が所属する生命倫理学会の有識者に指導・助言をお願いする。
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Causes of Carryover |
研究者会議や関連学会への参加にかかる旅費は、大学から支給される自己研究費を使用したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
米国視察で得た知見の要点整理を行い、それを調査票および研究計画書の作成に活かす予定である。その時に、生命倫理学者など有識者に助言をもらうための謝金等に使用する。その他、関連論文の複写費や質問紙調査にかかる事務用品、調査後のデータ入力等の事務アルバイト代に使用する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 看護倫理(レベルⅢ)2016
Author(s)
吉澤千登勢
Organizer
市立甲府病院 看護部研修会(5回シリーズ)
Place of Presentation
市立甲府病院
Year and Date
2016-05-23 – 2017-02-20
Invited
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