2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K11495
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
迫田 綾子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (70341237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 裕子 (小野裕子) 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (20446066)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 誤嚥予防 / ポジショニング / 食事ケア / 技術伝承 / POTTプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、誤嚥予防のためのポジショニング及び食事ケア技術を看護・介護職等に広く伝承し、看護ケアの質的向上により要介護高齢者の誤嚥予防や経口摂取維持・回復に寄与することである。技術伝承プログラムは、平成26年度までに構築したポジショニング教育スキームから、POTTプログラムについて研修会を実施し看護師への効果及び患者への影響評価をしていく。今年度は、以下の研究実績がある。 1)POTTプログラムについて文献や臨床知により再構築した。ベッド上及びシーティングのスキルチェック表と評価基準を決めた。看護師による患者介入は、スキルチェックで「できる」レベルに達しているものとした。 2)伝承技術を可視化するため、ホームページを開設した(http://pott-program.jp/)内容は摂食嚥下に関る専門職への情報提供と共に、調査票のWeb回答、研究協力者のグループウエアを作成し研究参加協力者への技術伝承の効率化を図った。 3)プログラム1(調査1)「ポジショニング及び食事ケアの現状」の調査を摂食嚥下障害看護認定看護師を対象に実施した。調査期間は、平成27年11月~平成27年12月で無記名自記式質問紙とした。結果は、摂食嚥下障害患者の増加する中で、ポジショニングや食事介助技術や教育の遅れが顕著にみられ、誤嚥予防を含むポジショニングと食事ケア技術ニーズが必要であることが示唆された。調査時にプログラム2研究協力の有無を合わせて問うたところ、協力は北海道から九州まで20施設から承諾があった。調査2・3・4について学内研究倫理審査委員会へ申請し、承認を得た。 4)学会発表等;日本摂食嚥下リハビリテーション学会において、研究協力者と共に本研究関連結果をポスターで6題発表した。第35回日本看護科学学会でのポスター発表、交流集会を企画実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食事時の姿勢調整や誤嚥予防としてのポジショニングの重要性、そのためのPOTTプログラムの有効性が臨床に理解されてきた。そのため研究協力施設の依頼が円滑に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度以降は、下記のように推進する。 1)プログラム2の実施 【調査2・3・4】 摂食嚥下障害看護認定看護師(研究協力者)による、当該施設または地域の看護・介護スタッフに対する研修の実施(15施設予定)。参加者は事前学習としてWeb上で視聴覚教材視聴する。対象者は各施設20名程度とする。調査期間:平成28年5月~29年12月。調査は看護師及び患者介入があるため施設における倫理審査を申請し承認を受けた後に実施する。 調査内容:看護師を対象としては、ポジショニング及び食事ケアの教育効果とする、患者対象では、看護師のポジショニングによる食事への影響について調査する。研究協力者は、北海道から九州までの施設の摂食嚥下障害看護認定看護師であり、技術を教授することで伝承効果も期待できる。データ入力はホームページ上のシステムに入り入力し、集計分析していく。 2)食事時のポジショニングと食事ケア技術伝承の情報提供 ホームページ上に研修会や新規情報を適時に発信していく。
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Causes of Carryover |
本研究は、調査1~4を実施予定である。学内における研究倫理申請を一括で申請したが、各調査毎に提出するよう差し戻しとなった。再度各調査毎に再申請を行い、全て承認されるのが28年3月に延長したため研究の遂行が遅れ気味となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年3月に本学における全ての倫理申請が承認された。今後は、研修協力施設での倫理審査を経て、順次技術伝承のための研修会を開催し調査を進めていく。研究協力施設は、北海道から九州までに及ぶため交通費の使用を予定している。
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