2018 Fiscal Year Research-status Report
がん化学療法における口腔粘膜炎予防のための介入プログラムの開発と検証
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15K11496
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
吉川 千鶴子 福岡大学, 医学部, 准教授 (60461539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 泰 福岡大学, 医学部, 教授 (50320297)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん化学療法 / 口腔粘膜炎予防 / 介入プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はがん化学療法における口腔粘膜炎予防をはかるための介入プログラム開発を目的とするものである。 平成27年度は、口腔乾燥が口腔粘膜炎発症に影響しているという仮説のもとで、唾液分泌促進ケアを中心とする口腔ケア介入を56例に行った。ケア介入の過程で、口腔粘膜炎の発症プロセスや原因は、原疾患、治療レジメン、患者個々の背景要因が大きく影響していることが明らかになった。 そこで、平成28年度は、前向きコホート研究により、口腔粘膜炎を発症した例と発症しない例を比較し、口腔粘膜炎リスク要因として、治療レジメン、食事摂取状況、血液検査データ(血算、TP、Alb)5項目を説明変数、OAG(Oral Assessment Guide)を従属変数として分析を行った。その結果、患者の背景要因として、倦怠感、粘膜障害による苦痛、口腔清掃困難、口腔衛生管理の不徹底が明らかになった。 平成29年度からは、5項目の口腔粘膜炎リスク要因と背景要因をもとに、口腔ケア介入を行い、口腔粘膜炎スクリーニング指標を作成した。口腔粘膜炎スクリーニング指標として、①簡易倦怠感尺度、②口腔細菌数、③口腔湿潤度、④血液検査データを決定し、口腔粘膜炎リスク要因と口腔粘膜障害の関連を明かにする目的で口腔ケア介入を60例を目標に行った。 平成30年度までに90%程度の達成率である。治療レジメンの使用薬剤が、殺細胞性抗癌剤、分子標的薬などの種類によって口腔粘膜に表れる症状は様々であること、高齢者が増えていることなどが予防的ケアを難しくするという新たな問題も含めて、口腔粘膜炎リスクに応じた介入プログラムに必要な要素を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔粘膜炎スクリーニング指標として、①簡易倦怠感尺度、②口腔細菌数、③口腔湿潤度、④血液検査データの項目を挙げ、口腔粘膜炎リスク要因と口腔粘膜障害の関連を明かにする目的で口腔ケア介入を行った。 口腔ケア介入は口腔観察、歯ブラシの選択、ブラッシング指導、舌ケア、含嗽指導、保湿ケアとし、平成29年度までに60例を目標にしていたが、在院日数の短縮化や、高齢患者の増加で、治療プログラムの変更などにより、目標症例数が得られなかった。 平成30年度までに90%程度の達成率である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.口腔ケア介入結果を分析する。 2.がん化学療法における口腔粘膜炎予防のための介入プログラム試案を作成し検証する。
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Causes of Carryover |
繰り越しが生じた理由:平成30年度は、口腔ケア介入の症例数がなかなか得れなかったので、研究補助員を活用するまでもなかった。また、データ収集を終えていないので、研究補助員によるデータ入力も必要なかった。したがって、人件費の支出がなかったので繰越金が生じた。
使用計画:介入プログラム試案作成し、検証する予定なので、パイロットでプログラムを実施するのに使用するモバイル端末Surface Pro3 64GB一式×2台(300,000円)、口腔ケア用品(40,000円)、AO,PC関連用品(50,000円)、図書(50,000円)、旅費330,000円)、通信費、印刷費(50,000円)、翻訳費(200,000円)、人件費(600,000円) 合計1,620,000円
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