2016 Fiscal Year Research-status Report
医療従事者の二次感染予防に関する医療従事者、事業者、一般人の3視点からの検討
Project/Area Number |
15K11497
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
網中 眞由美 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 講師 (30384150)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 皮膚・粘膜曝露 / 個人防護具 / 安全風土 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に行った医療従事者の皮膚・粘膜曝露と個人防護具(Personal Protective Equipment: PPE)使用に関する文献検討より、事業者の労働安全対策に結びつくものとして、職場の安全風土があることでPPEの装着率が2~3倍上昇することが報告されていた。 そこで28年度は、PPE使用に関する医療従事者(看護師)の認識と実践および事業者が提供する労働安全対策を医療従事者が知覚する職場の安全風土として既存尺度を用いて明らかにし、PPE使用に関連する要因を探索することを目的に調査を行った。調査は100床~750床の病院に勤務する看護師を対象とした。調査項目はPPE使用に関する医療従事者の認識に関する14項目、PPEの実践に関する15項目、職場の安全風土に関する33項目、職業感染予防に関する6項目、個人属性に関する9項目、血液媒介病原体への曝露歴に関する3項目で構成した。 調査票の回収が終了し、回収率は61%であった。回答者の属性は90%以上が女性、年齢平均は33歳、勤務場所は病棟が74%、外来13%、手術室7%で、看護師になってからの経験年数の平均値は10年であった。また過去1年間における眼または口腔への血液・体液の飛散経験があるものは45名、過去1年以内に針刺しを経験したものは49名、過去1年以内に鋭利物による切創を経験したものは72名いた。 現在、看護師のPPE使用の認識および実践状況と職場の安全風土に関する詳細なデータの解析作業を進めている段階である。また一般人を対象とした本課題の調査方法について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学内業務の増加により、エフォート配分どおりに研究計画が進まない状況が持続した。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度は研究時間の確保に努め、28年度に実施した調査のデータ解析を進めるとともに、医療従事者のPPE使用に関する一般人の認識調査を進める予定である。
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Causes of Carryover |
計画の進捗がやや遅れているため、28年度に実施した調査に要した関連経費の支払いが29年度4月以降となってしまった。また計画の遅れにより関連学会における研究発表に至らなかった。28年度に実施した調査ではインタビューによるデータ収集を要しなかったため、予定使用額に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、調査研究を1件予定しており、その準備等に使用する計画である。
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