2015 Fiscal Year Research-status Report
モーションセンサ技術を応用した仮想内視鏡を用いた気管内吸引教育システムの開発
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15K11510
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
小倉 敏裕 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (40369369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 一浩 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (70381308)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護教育 / CT / モーションセンサ / バーチャル内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔、鼻腔、気管内の吸引は臨床現場において頻繁に行われ、この吸引技術の良否は、生死に関わる問題となるが、看護学生に教育する場合、目視できないため技術指導に困難が伴う。そこで、鼻腔、口腔、気管内等が観察できた状態での指導ができるよう、赤外線センサーでドレーンの位置、向きをキャッチし、仮想的に鼻腔、口腔、咽頭、喉頭内部、気管、気管支を容易に観察する仮想内視鏡画像作成法の開発を行った。今年度は使用する頭部、頚部、胸部のCTデータベースを作成するために、インターネット上に一般公開されたCT画像データ、あるいは使用許可が得られているCT画像データを収集した。そして、LEAP モーションセンサという赤外線センサーでドレーンの位置、方向、角度を検出できるよう、プログラムを作成した。検出したドレーンの位置、方向、角度、ドレーンの動きを装置に認識させ、仮想内視鏡画像の視点、視野、方向、挿入速度と連動するようにした。一方、CTデータを用いて三次元画像を構築し、そこから気管などの呼吸器を抽出しその他の臓器や骨と合成画像構築し,呼吸器と各臓器の位置関係を明らかにできるようにした。さらに、咽頭筋などの各種筋肉の抽出と吸引の際重要となる喉頭蓋周辺臓器の抽出を行ったり,舌根周辺臓器の解剖理解が容易となるよう表示できるようにした。国際学会発表では、ヨーロッパ腹部放射線学会や北米放射線学会、ヨーロッパ放射線学会などで、目に関するモーションセンサである、視線追跡システムを応用した研究発表を行い、本研究の基礎とすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気管内吸引技術教育時の問題点を確認し、CT三次元画像データベース作成および画像構築法の確立を行ない、ドレーン検出システムの開発を目標に研究を進めた。気管内吸引技術教育時の問題点としては看護学生が鼻腔、口腔、咽頭、喉頭内部、気管、気管支を観察しながらドレーンの挿入ができないことであるが、バーチャルエンドスコピーの技術を用いて容易に観察できるシステムを作成した。さらに、赤外線を用いたモーションセンサによりドレーンの動きを検出するプログラムを制作する一方、呼吸器の三次元表示方法を考案、構築し、ドレーンの動きと連動するようにすることに成功した。この表示によって、看護学生がコンピュータグラフィックス画面に向かって仮想的に鼻腔、口腔からドレーンを挿入した状態での、呼吸器内部の観察学習がある程度可能となった。今後、看護学生に対する学習に本装置を適用し、さらなる改良を加え、より使用しやすい装置に改良を加える予定である。そして、各学生が呼吸器内部を観察しながら気管内吸引技術が学習できる教育システムを構築する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、看護学生に対する学習に本装置を適用し、問題点を洗い出し、さらに使いやすい装置に改良していく予定である。赤外線センサーでドレーンの位置、方向、角度を検出できるよう、プログラムを作成したが、検出したドレーンの位置、方向、角度、ドレーンの動きを素早く装置に認識させ、仮想内視鏡画像の視点、視野、方向、挿入速度との連動感度を高め、より操作性を高くするようにする予定である。そして、各学生が呼吸器内部を観察しながら気管内吸引技術が学習できる教育システムを完成させる。本研究の研究成果を社会・国民に発信する方法としては、看護理工学会(岩手県開催)にて本年9月に発表する予定である。また、北米放射線学会やヨーロッパ放射線学会など積極的に国際学会に出席し,最新のモーションセンシング技術や画像処理技術を習得する予定である。同時に目の周辺筋肉電位を利用したモーションセンシング技術を応用した画像表示処理システムの開発に関する発表を海外で行ない、本研究にも応用したいと考えている。また、医用画像情報学会などの国内の学会でもモーションセンシング技術を応用した画像表示処理システムの開発に関する発表を行う予定であり、本研究に応用する。
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Research Products
(7 results)