2016 Fiscal Year Research-status Report
自己調整学習サイクルモデルによる看護技術学習支援システムの開発と評価
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15K11518
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
徳永 なみじ 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師(移行) (90310896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相原 ひろみ 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (10342354)
佐川 輝高 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (90162320)
金澤 知典 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師(移行) (50777133)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自己調整学習 / 授業時間外学習 / 基礎看護技術教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去2年で、①システム導入まで設備の選定と整備、②導入前評価を行った。 ①看護技儒学習の場となる基礎看護学実習室内にサーバを設置し、10インチタブレット端末8台を導入した。タブレットにはカメラで練習動作を確認できるよう、可動式で高さの調節ができる架台にアームで固定して設置した。LMSにはMoodleを選択し、技術の自己評価表や小テストを活用するため、サンプルを試用し、円滑に動作することを確認した。平成29年度の前半で、マニュアルを作成していく予定である。 ②平成28年度に収集したデータの分析の一部を、平成29年8月にAPNRCで発表することが決定している。発表予定の成果は、時間外の技術練習の現状に関することで、導入前の現状分析と課題の明確化を目的とした。【方法】対象:看護学生75名(1年生) 調査項目:授業時間以外の練習時間と場所、知識と技術の学習方法について自記式質問紙で回答を得た。【結果】回答数48(回収率64.0%)。練習時間の平均は68±45.8分だった。30分以上60分未満の回答が最も多かった。練習していた場所は、「基礎実習室だけ」が68.8%で最も多く、さらに練習時間の90%以上を基礎実習室で練習していた学生は85.4%であった。知識の学習方法に関する回答は、「教科書や参考書を読んだ」を選択した学生が95.2%で最も多かった。技術の学習方法に関する質問は、その他を含めた13の選択肢から知識と同様に選んでもらった。最も多かったのは、「同級生に患者役になってもらって測定した」で93.4%であった。【考察】この練習時間の結果は平均68分であり、決して少なくはない。その一方で、ほとんど練習をしていない学生も見受けられることから、現状では時間外学習が十分なされていない可能性がある。技術の習得ではほとんどの学生がpeer learningを活用していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
導入前の状況を評価するための調査は、2年間予定通り収集でき、当初、回収率悪さを危惧していたが、想定した範囲で回収できている。システムの設備の選定、設置、稼動確認も順調に進み、研究分担者がそれぞれ担当しているタスクも、遅れることなく進行させている。特に、LMSの試用もできており、マニュアル作成の担当者も決定し、研究チーム内での協働も安定して行えている。 追加のデータとして、学内の時間外学習が実習での血圧測定技術の習得と実施に影響してるかを見るアンケートを作成し、初回のデータ収集対象者である学生に向けて実施した。倫理審査は追加で申請し承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、10月頃に開講される授業で、初めて本システムを組み入れた授業を行う。授業内容は変更せず、授業時間外学習の環境の実を変更し、導入後の自己調整学習力をはじめとするデータを収集する。平成30年度も同時期にデータ収集し、年末にかけてすべてのデータを総合して本研究全体の成果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
自己調整学習システム専用のサーバとタブレット端末8台を駆動・充電するために基礎看護実習室の電源の容量を上げるための工事を予定していたが、工事が平成29年度に繰り越されたため、電源確保後に設置する予定であった充電用ポートの経費が執行できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に、基礎実習室内の電源容量を拡張する工事が終了次第、物品を購入し充電ポートを設置する・
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