2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K11522
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
中野 真理子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (60712312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美鈴 自治医科大学, 看護学部, 教授 (10320772)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体抑制 / 基礎看護教育 / 新人看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、主要な看護系テキストにおいて身体抑制がどのように取り上げられており、その教育内容はどのようなものであるかを調査した。看護学全書、看護学講座など体系的に看護学を網羅している出版社のテキストの基礎看護学、看護倫理、老年看護学、精神看護学と成人看護学における急性期看護あるいはクリティカルケア看護の5つの領域でさくいんを手立てに実施した。 基礎看護学では3社中2社には記載がなく、1社において看護学概論で倫理的問題として取り上げられていた。看護倫理では身体抑制に関する記載はなかった。老年看護学では5社中4社が身体抑制の定義や現状、問題点を取り上げているが、いづれも2から4ページの短い取り扱いであった。精神看護学では、6社中4社が取り上げているが、いづれも1~2ページであり精神科領域における身体拘束の一部として記載されている。急性期看護、クリティカルケア看護領域では1社のみ、3ページ記載されていた。 概観してみると、どの領域においても患者の権利や尊厳、身体抑制と法、身体拘束の弊害、観察等が浅く記載されているのみであり、患者、家族の思い、身体抑制の方法、抑制が及ぼす弊害やその予防についての詳しい記載はなかった。このようなテキストの取り上げ方とこれまで研究者が実施したインタビューからみても身体抑制は看護基礎教育において、深く触れられていない現状が明らかとなった。 新人看護師は、身体抑制に対する知識や心の準備がないままに現場で身体抑制に遭遇する、あるいは身体抑制を実施ししなければならない状況に置かれる。患者はこのようなあいまいな知識、技術、身体抑制に対する考えが未熟な看護師に抑制されることとなりリスクが高くなり、また新人看護師は強いジレンマを抱くと予想される。今回の結果を得て、実際の教育の場ではどのように教授されているのか調査する必要性をさらに感じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記調査が完了していない。テキストをすべて購入すれば調査はできるが、ほぼ記載のないものが多いため、図書館等に出向いて調査をしており時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
看護系テキストに記載がなくとも、書籍やオリジナル教材を用いて身体抑制に関する内容を教授していることが考えられる。看護系テキストの取り上げかたについて大まかな流れは掴めたため、身体抑制に関する教授内容の全国看護系大学調査に着手したいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成27年度中に欧米先進国の身体抑制の状況視察を2回計画していたが、1回実施したのみであり、通訳として15万円必要としていたが、研究者が話すことのできるスペイン語圏に視察に行くことができたため支出を押さえることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度もう1度、英語圏の視察を計画している。
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