2015 Fiscal Year Research-status Report
看護基礎教育における主体性育成教育プログラムの開発と教育効果
Project/Area Number |
15K11523
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小林 礼実 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (00623076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯川 美弥子 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (90366500)
飯岡 由紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (40275318)
尾崎 恭子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (00162561)
大久保 由美子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80287317)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 批判的思考態度 / TBL / 教育プログラム / 看護基礎教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、能動的学習法のひとつであるTBLを導入し、学生の主体性を育成する教育プログラムの開発、および教育プログラムによる教育効果を評価することである。平成27年度は、以下のことを実施した。 1.教育プログラム開発に向けて「主体性」、「自己学習力」、「自己教育力」、「TBL」、「批判的思考」をキーワードに文献を検索し、主体性を育成する教育方法と教育効果に関する文献検討を行った。主体性は自分の意志・判断によって行動する態度の要素が含まれていることから、本教育プログラムは主体性だけでなく、看護実践力に必要とされている批判的思考態度の育成を目指すものとした。よって、本プログラムのねらいを「TBLを活用しながら看護実践に必要な知識の修得および批判的思考態度の育成」とした。 本プログラムは、学習課題の達成に向けて既習した知識を統合しながら看護を見出すこと、TBLにおけるグループ活動を通して論理的な思考や相手を尊重する態度を育み、繰り返し行われる自己評価等を実施しながら批判的思考態度を高めることができる内容を検討している。次年度に教育プログラムを導入する科目を選定し、到達目標および学習課題等の授業案を作成中である。さらに、学生の主体的な学習を支援するワークシート等の活用や既習した知識を看護に統合でき、かつ活発なグループディスカッションを可能とする実践的な学習課題を検討している。 2.教育効果の評価については、先行研究から報告されている既存のスケールを本プログラムのねらいと照合し、学識、批判的思考態度、およびチーム活動等を評価できるスケールを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は教育プログラム開発に向けて、学生の主体性を育成する教育方法および教育効果の評価を検討した。 1.教育方法については、文献検討や関連学会、および教育の評価等のセミナーに参加し、教育プログラムを検討する基礎資料としての情報を得ることができた。これらの情報を基に、教育プログラムのねらい、学習到達目標、および学習課題等のプログラムの方向性を検討することができた。しかし、TBLを取り入れて授業展開を実践している教育機関等に出向き授業の実際を視察することはできなかったため、次年度における教育プログラムの導入に向けた準備に課題は残る。 2.教育効果の評価については、上記同様に情報を収集し、活用されている評価測定尺度の特徴や適応、および教育効果の現状を調査することができた。さらに医学教育においてTBLを取り入れているアドバイザーと意見交換を行いながら本プログラムにおける評価の方向性について検討を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度にTBLを取り入れた教育プログラムを実施する予定である。 1.教育プログラムの開発および教育方法の実施については、現在検討中である学習課題の選定や学習方法を支援するワークシート等の準備および授業案の作成、TBLにおけるグループ編成や効果的なグループ活動を支援する学習環境の整備等を進める。さらに他大学の視察、セミナーの参加等、情報収集を引き続き行い、実施に向けた準備を進める。なお、教育プログラム導入時期については、所属機関の倫理審査を経て実施する。 2.教育効果の評価については、現在検討中である評価測定尺度、評価時期を選定する。教育プログラムの評価ならびに課題を明確にするために、実施後の分析を行い、修正案を検討する。 3.教育プログラムの実施報告については、学会発表、投稿に向けて準備を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は主に教育プログラムの開発に向けた準備として、情報収集を目的に文献の取り寄せや書籍購入、学会やセミナーの参加等の物品費および旅費に使用した。しかし、TBLを取り入れている教育機関への視察ができなかったことや教育評価の測定方法を検討中であることから、旅費や謝金およびデータ分析用の物品費等の準備のための支出ができず、翌年に繰り越しが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は教育プログラムを実施し、教育効果を調査する予定である。 教育プログラムの準備に向けた教育機関等を視察する旅費やアドバイザーへの謝金、および学会やセミナーの参加費として使用する。また、教育効果を測定する調査票の作成費用、学習支援用のワークシート等の印刷、および文具や書籍の購入等の使用を予定している。さらに、調査結果のデータ分析ソフトの購入や分析手法を習得するセミナー受講費として使用する。
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