2017 Fiscal Year Research-status Report
文化的背景に基づいたケアリング能力を測定する尺度開発と看護学生の能力への影響要因
Project/Area Number |
15K11541
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小野 聡子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20610702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 江美 福岡看護大学, 看護学部, 講師 (00389488)
飯野 英親 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (20284276)
伊東 美佐江 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00335754)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ケアリング / 文化 / 看護教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
文化的背景に基づいた看護者に必要なケアリング能力を測定する尺度開発のために、文献検討をもとに概念枠組みについて検討中である。今年度は、概念枠組みを設定できず、その後のインタビュー調査が遅れている状況である。これまでの文献検討では、ケアリングという用語の抽象度の高さから枠組み設定が困難であったが、海外文献よりケアリングが尊厳の保持など看護師の行動や態度を包含していることが明らかになった。しかし、「ケアリング」という用語では、国内文献数が十分でなく、文化的差異についての検討ができなかった。国内でのケアリング能力を検討するために、看護基礎教育で使用されている教科書の中から看護倫理学および看護学概論に焦点をあてて分析を行った。それらの教科書にあるケアリングに関する記述について、テキストマイニングを使用して、単語頻度解析、係り受け頻度解析、ことばネットワーク分析を行った。その結果、ケアリングとケアは別の概念として説明されており、ケアリングに関する行動や態度については、「尊厳」-「守る」、「患者」-「尊重」といった基本的人権に基づいた内容が多かった。ケアリングを表す具体的な行動や態度を教授するためには、分析対象の拡大が必要だと考えられた。現在、海外文献検討、国内教科書分析の結果から、視点を広げて概念について分析を続けている。それと同時に、患者を対象としたインタビュー調査に向けて倫理申請の準備を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ケアリング能力に関する文化的差異について文献検討が不十分であり、概念枠組みを設定できずにその後の患者へのインタビュー計画に影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
尺度開発に向けて患者が看護師に求めるケアリング能力を明らかにするために、患者へのインタビュー調査の倫理申請を進める。インタビューの分析結果および先行研究を踏まえて尺度を作成する。その後、尺度の信頼性および妥当性の検証を進める予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の実施に至らず、それに必要な経費がかからなかった。次年度は、インタビュー調査対象者への謝金、逐語録作成委託料、成果発表にかかる旅費に使用する。
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