2018 Fiscal Year Annual Research Report
Emotion management program development in palliative care nurse concerned with cancer nursing
Project/Area Number |
15K11542
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
光本 いづみ 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (50461588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 年子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50383112)
藤野 成美 佐賀大学, 医学部, 教授 (70289601)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 緩和ケア看護師 / 感情労働 / 緩和ケアの困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究1】がん看護に携わる緩和ケア看護師の感情労働の特性に関する一考察〈具体的内容〉緩和ケア看護師が業務で体験するネガティブ感情とそのエピソードを明らかにするために、看護師14名に対し面接を行い、質的に逐語録を分析した。その結果、【価値観の対立による倫理的ジレンマ】【緩和ケア看護師としてのアイデンティティの危機】【緩和ケア看護師自身のグリーフ】【組織に対する報われない感情】の4つのカテゴリーに集約された。【価値観の対立による倫理的ジレンマ】は、臨床場面における様々な価値観の対立から生じる意思決定上の問題である。【緩和ケア看護師のアイデンティティの危機】は、人員や時間的制約などの外的要因と自身の緩和ケアへの態度を含む内的要因を包含する。【緩和ケア看護師自身のグリーフ】は、患者の死を受けて喪失感を抱いた看護師にグリーフのための時間や表出の機会がないことや医療者独自の悲嘆が存在すること【組織に対する看護師の報われない感情】は、日々の業務の中で看護師が疲弊し承認や評価が得られず、看護師が自己犠牲的思考に陥っている状況である。 【研究2】看護師の感情労働とがん看護に関する困難感の関連〈具体的内容〉全国の緩和ケア病棟で勤務する看護師1900名を対象とし、看護師のがん看護に関する困難感尺度、看護師の感情労働尺度を用いて自記式質問紙調査を行った。回収率は、893名54.7%であった。自らの知識・技術が不十分であると困難感を持つ看護師は、感情労働の下位因子である探索的理解、表出抑制に関連を認めた。コミュニケーションに関する困難感は感情労働の下位因子である表層適応と表出抑制に関連があった。 【本研究の意義と重要性】「繰り返される死」と日常的に向き合うことは、看護師自身の感情に影響しておりそれらの要因を明らかにすることができた。自らの死生観を深めるための方法を今後確立し検証していく予定である。
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