2015 Fiscal Year Research-status Report
改良型放射線防護服等の機能性とイメージに関する研究
Project/Area Number |
15K11545
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
西沢 義子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (60113825)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | GMサーベイメータ / 放射線防護服 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は①被検査者に不安感を与えないGMサーベイメータによる放射線サーベイ方法の実験的検討、②被検査者に否定的感情を与えず機能性の高い放射線防護服の評価である。 平成27年度はGMサーベイメータ検出器部分へカバーを装着した場合に、放射線サーベイに影響がないかを実験的に検討した。カバーとして使用する紙の厚さ、紙質、色等について実際の放射線サーベイと同様の環境下で実施した。その結果、良質紙(一般的な印刷用紙)では影響がないことが明らかとなった。被検査者に不安感を与えないために、検出器部分に絵を描くことを想定し、コピー機印刷したカバーでは遮蔽効果が認められたことから、サーベイの際には遮蔽率を考慮する必要性が示唆された。 また、放射線防護服に関する研究の実態を把握するために医学中央雑誌web版により文献検索を行った。キーワードは防護服、放射線、被ばく、放射線影響、デザイン、色とした。防護服に関する文献は2,293件であったが、放射線に関する文献は全体の6.2%となり、研究論文が少ないことが明らかとなった。また、被ばくや放射線影響に関連する研究では、ほとんどが放射線防護の立場からの医療者や介助者の被ばく量低減を目的とした研究であった。防護服と色、デザイン、イメージという心理学的な視点からの研究は少なく、被検査者に緊張感や不安感を与えない防護服の改良のための色、デザインに関する研究の必要性が示唆された。 被検査者がどのような色や模様に対して否定的感情を示さないかを調査するために試作版を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被検査者に不安感を与えないようにGMサーベイメータ検出器部分にカバー(試作版)を装着するにあたり、放射線サーベイに影響がないかどうかを実験的に検証する必要性が生じ、その解明に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
GMサーベイ検出器部分に装着するカバー(試作版)の遮蔽効果の確認がほぼ確認できたため、今後は研究計画通りに進めることが可能となる。
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Causes of Carryover |
当初の計画であれば、企業等を訪問し助言をいただくことになっていた。当研究科には放射線の専門家(放射線技術科学領域教員)がいるため、企業を訪問せずに助言をいただいたため、旅費・謝金に差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
GMサーベイメータ検出器部分へ装着するカバーの遮蔽効果の有無に関する基礎実験を行っており、その成果が得られている。そのため、次年度は学会発表のための旅費に使用する。また、試作版GMサーべイメータ、放射線防護服の評価を行うために本調査が始まる。調査は福島第一原子力発電所事故により避難している子育て中の母親等も対象とするため、現地での調査が必要である。そのための旅費に使用する。
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Research Products
(1 results)