2016 Fiscal Year Research-status Report
改良型放射線防護服等の機能性とイメージに関する研究
Project/Area Number |
15K11545
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
西沢 義子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (60113825)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線 / GMサーベイメータ / 防護服 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は①被検査者に不安感を与えないGMサーベイメータによる放射線サーベイ方法の実験的検討、②被検査者に否定的感情を与えず機能性の高い放射線防護服の評価である。平成28年度は下記の点について実施した。 1.改良型GMサーベイメータに関する成果発表:放射線サーベイをする際に緊張感を軽減するために測定部(検出器部分)にキャラクターを用いた画像を貼付することを考案し、その成果を発表した。緊張緩和のために検出器部分にイラスト等を装着する際には、使用するイラストによる遮蔽の影響を事前に検討し、遮蔽率を考慮した測定が必要である。 2.改良型サーベイメータについてのイメージ調査:上記1の改良型GMサーベイメータについて被検査者が大人と子どもの場合の2通りについてSD法を用いて調査した。平成29年3月31日までに総計243名から回答が得られた。平成28年度成果の一部として看護学生46名について分析した。その結果、改良型サーベイメータは通常型に比較し、明るい、暖かい、弱い、陽気な、安定した、緩んだ、やわらかい、やさしい、静かな、好きなイメージが強く、特に被検査者が子どもの場合は顕著であった。今後は性別や年代別比較を行うなど詳細な分析が必要である。 3.改良型防護服に対するイメージ調査:白、アイボリー、サーモンピンク、ライトグリーンの4色を選定しイメージ調査を行った。平成29年3月31日までに総計241名から回答が得られた。平成28年度成果として看護学生45名について解析した。その結果、これまで一般的に用いられている白の防護服に対しては肯定的感情の「充実」、否定的感情の「抑鬱・動揺」、「圧迫・緊張」が他の3色より有意に高かった。したがって、放射線サーベイを行う際の防護服はアイボリー、サーモンピンク、ライトグリーンが望ましい。今後は性別や年代別比較を行うなど詳細な分析が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
改良型GMサーベイメータや放射線防護服を提案するための基礎データが揃ったが、イメージ調査では性別や年代別比較が済んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は改良型GMサーベイメータならびに改良型放射線防護服のイメージに関する調査を詳細に分析するとともに、被ばく医療の専門家の意見を聴取し、機能性を考慮した改良型GMサーベイメータならびに放射線防護服を提案する。
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Causes of Carryover |
福島県内での調査を行ったが、他の業務で福島県内を訪問した際に実施し旅費が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は改良型GMサーベイメータならびに放射線防護服を提案し、企業への訪問もあるため、その経費に充てる。
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