2017 Fiscal Year Research-status Report
改良型放射線防護服等の機能性とイメージに関する研究
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15K11545
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
西沢 義子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (60113825)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線 / 防護服 / GMサーベイメータ / イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.放射線防護服の改良に関する研究 東北地方のA大学看護学生、事務職員、B市の市民公開講座に参加した一般市民、C市のイベント事業に参加した子育て中の母親262名を対象に、無記名自記式質問紙により防護服の色に対するイメージを調査した。ホワイト、サーモンピンク、アイボリー、ライトグリーンの4色の防護服を提示し、「服装によって生起する多面的感情状態」を測定した。有効回答数は258名であった。年代別比較では一部の感情状態において差異が認められたものの、性や年代を超えた共通なイメージがある可能性が示唆された。ホワイトの放射線防護服に対しては充実得点が他の3色よりも高く、放射線サーベイという特殊な作業に対する安全性を求める役割期待の表出が推測された。しかし、快活・爽快、安らぎ得点が低く、抑鬱・動揺得点、圧迫・緊張得点が高かったことは、放射線サーベイという緊迫感がある場面においては好ましい色とは言い難いことが明らかとなった。 2.GMサーベイメータの改良に関する研究 上記1の研究対象と同一で、無記名自記式質問紙を用いて調査した。有効回答数は256名であった。工夫なしのGMサーベイメータ(従来型)及び検出部の窓にイラストを印刷した紙を装着したGMサーベイメータ(工夫型)のそれぞれについて写真を提示し、①あなた自身が検査を受ける場合、②子どもが検査を受ける場合のイメージについて調査した。イメージの測定には、10の形容詞対(明るい-暗い、暖かい-冷たい、弱い-強い、陽気な-陰気な、安定した-不安定な、緩んだ-緊張した、など)について5段階で回答を求めた。自分が検査を受ける場合に比べ、子どもが受ける場合のGMサーベイメータのイメージは否定的であったが、検出部にイラストを印刷した紙を装着する工夫によりGMサーベイメータのイメージは肯定的になることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、放射線防護服の色ならびに改良型GMサーベイメータのイメージに関する研究結果から、より不安や緊張感を与えない放射線防護服とGMサーベイメータを提案する予定であったが、改良型の試作版作成に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、試作版作成に向けて情報収集中である。今後は被ばく医療教育スタッフの経験を有する者を対象とし、試作版放射線防護服を用いた調査を進める。その結果を受けて最終的に不安・緊張感が少ない放射線防護服ならびにGMサーベイメータを提案する。
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Causes of Carryover |
【理由】 放射線防護服の試作版を作成予定であったが、作成可能な業者を選択することが出来なかったため。 【使用計画】 次年度はその経費を放射線防護服の試作版作成費に充てるとともに、これまでの研究成果を発表(第7回日本放射線看護学会学術集会/長崎市、22th East Asian Forum of Nursing Scholars/Singapore)するための旅費ならびに論文投稿のための英文校正料等に充てる。
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Research Products
(2 results)