2015 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師のオンコール体制と睡眠状況、自律神経活動に関する研究
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15K11546
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
菊地 由紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40331285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 範子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10222944)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | visiting nurse / on-call / sleep |
Outline of Annual Research Achievements |
訪問看護師の夜間オンコール業務が睡眠にどのような影響を与えるかを、睡眠時脳波と就寝時の自律神経活動から明らかにすることを目的とした。 調査対象は、オンコール業務に就いているA県内の女性の訪問看護師(現在の職場で1年以上の勤務経験のある者。妊娠中、授乳中、睡眠や自律神経系に影響を及ぼす疾患に罹患している者は除外。)とした。対象を募集するにあたり、A県内の12か所の訪問看護ステーション管理者に対して、書面と口頭で研究の目的、方法、倫理的配慮について説明し、研究への参加と対象者の募集を依頼した。9施設の管理者から同意が得られ、9施設から30名の訪問看護師が対象となることに同意した。 研究者間でプレテストを行いながらプロトコールを検討し、以下のデータを収集した。(1)対象の基本情報等を質問紙で尋ねた。質問項目は、基本属性(年齢、BMI、既往歴、喫煙習慣、飲酒習慣、健康状態、同居者の有無など)、業務経験に関する事項(看護師経験年数、訪問看護経験年数、現在の職場での経験年数、役職有無、オンコール業務の経験年数、夜間オンコール業務の心身への負担など)である。(2)睡眠に関するデータとして、オンコール担当日と非担当日を含む4日間の睡眠時の脳波を測定した。脳波計は小型のもの(Sleep Scope)を使用し、電極を2か所に貼り対象者自身に測定してもらった。また起床時に睡眠に関する質問紙(OSA睡眠調査票MA版)に記入してもらった。(3)自律神経活動に関するデータとして脳波を測定する4日間の就寝前に指尖脈波を測定した。小型の装置(TAS9 VIEW)を用いて指に2分半センサーを装着し、対象者自身に測定してもらった。 脳波は専門業者へ解析を依頼し、指尖脈波は専用ソフトを用いて解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
30名の対象からデータを収集することができたため、おおむね研究計画に沿って進展しているといえる。 脳波データ収集のための装置(Sleep Scope)のレンタルおよび脳波データの解析に多額の費用がかかったが、指尖脈波を測定するための装置(TAS9 VIEW)および解析ソフトは、研究者が所持していたものを使用することができたため、予算内で研究を実施することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
信頼性の高いデータが得られるよう、対象者の募集とデータ収集を継続する。研究計画に沿ってデータの分析を行い、訪問看護師の夜間オンコール業務が睡眠にどのような影響を与えるかを検討する。 H28年度は研究結果を論文にまとめ成果発表を行い、H29年度は学術雑誌へ論文投稿を行うことができるよう進めていきたい。
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Causes of Carryover |
脳波の解析件数が予定よりも少なかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
脳波のデータ収集はH28年度も継続するため、脳波の解析費用として使用する。
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