2016 Fiscal Year Research-status Report
災害看護専門看護師に対する役割認識と役割期待~地域包括ケア時代に向けて~
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15K11571
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
渡邊 智恵 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (00285355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西上 あゆみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 准教授 (30285324)
藤井 知美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (30734008)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 災害看護専門看護師 / 役割 / 地域包括ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
地域包括ケア時代を迎えた今、災害看護専門看護師(以下、災害看護CNSと略す)の役割を追究していくことは、災害発生時および平時からの要配慮者の災害対応策について示唆を得ることができる。2015年度は、災害看護に関する大学院教育を受けた修了生の活動実態と役割認識についてアンケート調査を実施した。2016年度は、その修了生たちを活用する側の災害看護・保健関連機関(災害基幹・拠点病院、都道府県看護協会、保健所等)の管理者を対象者に、災害看護CNSに期待する役割について聞き取り調査(半構成)を行った。調査内容は、災害看護CNSに期待する活動内容、活動場所等で、2016年11月~2017年2月に実施した。分析方法は、語りの意味を変化させないようにコード化し、内容の類似性を基にカテゴリー化した。 該当する研究対象者31名に依頼し、20名から了解を得られた。対象者は全員女性、平均年齢57歳、災害時の活動経験を全員が持っており、災害看護の研修は15名が受けており、そのうち3名は看護基礎教育から教育を受けていた。 期待する役割は、災害各期で(急性期から復興期まで幅広く)、“地域特性を考慮すること”“地域集団全体へアプローチすること”や“地元の資源を活用した支援”等を考慮した『実践』『研究』『調整』『相談』『倫理調整』役割であった。また、災害発生時のみならず、平時におけるガイドライン作成や避難訓練、退院指導等の備えに関する『教育』役割が、地域や医療施設等で期待されていた。さらに、備えに対する訓練等を企画運営する上で「災害医療看護を充実させるための予算措置を検討する」や、平素から「災害看護に関する職場の風土作りを行う」が独自なものとして抽出された。 災害看護CNSの活動場所は、部署横断的で外部との連携がとれる部門が望ましく、行政・医療・教育機関、看護職能団体等に配属し、様々な組織間の調整をすることが期待されていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度については、前年度に準じて、定期的に会議を開催(毎月1回)し、倫理審査も8月に申請書を提出し9月末には承認を得ることができた。インタビュー調査についても計画的に実施できた。なお、12月までの実施状況を確認し、翌年2月までに追加調査をすることで、目標の対象者数を確保することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、これまでの2年間の調査を基にして、災害看護CNSの役割についての全国調査を行う。災害看護関連機関の次のような関係者(災害基幹・拠点病院、都道府県看護協会、保健所等)を対象として、災害看護専門看護師に期待する役割についてアンケート調査を行う。時期としては10月から11月を想定しており、計画的に研究を進めていき、最終報告として総括をしていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度に計画していたことはほぼ予定通りに進行し、予算を使うことができている。但し、会議開催に関しては、学会参加時におこなうことで、交通費・会議費等が若干削減でき、平成27年度に繰り越された額が増額されている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度は、全国的なアンケート調査を実施するため、郵送費やデータ入力費用などの経費を確保している。また、世界看護科学学会での発表等も検討しており、国内外の学会に参加する予定である。
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Research Products
(2 results)