2017 Fiscal Year Research-status Report
新興・再興感染症および生物災害に対する看護師の準備性と教育に関する研究
Project/Area Number |
15K11574
|
Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
森 那美子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員(移行) (20421828)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 災害看護 / 新興・再興感染症 / 生物災害 / 準備性 / 看護師養成課程 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、新興・再興感染症の出現や世界的規模の流行が発生し、各国で医療システムのみならず社会全体の大きな問題となっている。日本でも、新興・再興感染症が発生する、もしくは侵入する可能性がある。看護師は直接的なケアだけではなく、幅広い内容の業務を担当するため、新興・再興感染症に関する知識や技術を身に着けている必要がある。一方、就業している看護師は所属施設でほとんど生物災害に関する教育を受けていないことが先行研究にて明らかになっている。就業後ではなく、看護師養成課程で確実に生物災害を学ぶ必要があると考え、平成28年度は看護師養成課程における生物災害を含めた関連領域の教育の実態調査を行った。平成29年度は、平成28年度に行った「看護師養成課程における新興・再興感染症および生物災害に対する教育に関する調査」に関してデータ入力・解析を終了し、看護師養成課程向けの生物災害教育プログラム(案)を作成した。 平成28年度調査の結果では「災害看護」教育はほとんどの学校で行われていたが「生物災害」教育の実施率は20%未満であった。ほとんどの学校では、生物災害時に実際に医療現場で必要になる各種予防策や微生物に関する知識事項は他科目で学習済みであることから、独立した生物災害授業シリーズとするのではなく、生物災害教育を確実に実施するために、災害看護授業シリーズの1部として「生物災害」を組み込み、既習の内容の確認を含めて重要事項を学習する内容とする看護師養成課程向けの生物災害教育プログラム(案)とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究スケジュールの変更、各種作業の外部委託困難などの制約により、一昨年度より研究計画の実施に遅延が生じている。しかし、平成28年度に開始した「看護師養成課程における新興・再興感染症および生物災害に対する教育に関する調査」に関しては、データ入力・解析を終了し、看護師養成課程向けの生物災害教育プログラム(案)を作成した。プログラム(案)の検証にあたり、次なる研究計画[看護師養成課程向け災害教育プログラム(案)の教育効果の検討]の準備を進めている。 また、調査結果については、専門学術誌へ発表するための投稿準備を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に開始した「看護師養成課程における新興・再興感染症および生物災害に対する教育に関する調査」の調査結果を基に、看護師養成課程向けの生物災害教育プログラム(案)を作成した。今後は、プログラム(案)の検証を行うための、次なる研究計画[看護師養成課程向け災害教育プログラム(案)の教育効果の検討]の準備を進める(新規研究費申請および研究計画の倫理審査受審)。 また、上記調査の結果については、専門学術誌へ投稿する。
|
Causes of Carryover |
平成29年度の主な研究作業は、平成28年度調査結果のデータ入力・解析・教育プログラム(案)の作成であったため、報告書作成・発送や論文投稿に掛かる支出が発生しなかった。しかし、今年度は調査結果報告書作成、教育プログラム(案)に関する論文投稿および学術集会での発表を予定しており、それらに充てる費用が必要がある。
|