2015 Fiscal Year Research-status Report
直腸がん手術患者の排便障害に対する術後排便障害介入プログラムの開発
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15K11576
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
藤田 あけみ 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (30347182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 せい子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80186410)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 排便障害 / 直腸がん / ISR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、申請者らが作成した直腸手術後の排便状態アセスメントシートの改良と看護介入を改良し、自己効力感やGROWモデル(目標の達成に向けた4つの段階を示したモデル)を活用した包括的な術後排便障害介入プログラムを開発することである。 平成27年度は、直腸手術後の排便状態アセスメントシートと看護介入改良のための調査として、外来通院中のISR(Intersphincteric Resection)後、あるいはISR時に作成した予防的ストーマ閉鎖後とLAR(Low Anterior Resection)後の17名に対し調査を行った。そのうち、7名のISR患者よりナラティブアプローチにより排便状態、思いや望みを語ってもらった。平成28年4月~5月にもデータを収集する予定である。 現段階で得られたデータから、排便状態アセスメントシートの改良として、「便が出ても出なくても1日にトイレに行く回数」では空振りの回数も確認することを盛り込み、「便が落ち着くまでの時間」を「便が落ち着くまでにトイレにいる時間」に改良した。また、備考欄には気になることの他に治療内容を盛り込むことにした。また、看護介入の内容として、飲酒についての指導、便の性状を整えるための飲食の指導の他、生活面への指導、内服薬についてなどがナラティブアプローチの中で語られた。指導としての看護介入についても研究者間で検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、直腸手術後の排便状態アセスメントシートと看護介入改良のための調査を行うことを目的としている。当初の計画ではISRの対象者20名に対して、排便状態アセスメントシートで評価し、そのうち排便障害が高度なISR10名にナラティブアプローチにより、排便状態や思い、悩みを語ってもらう予定であった。現在、排便状態アセスメントシートで評価できた対象者が17名であり、うち7名がISRで10名がLARの患者であった。調査期間中に外来受診したISR患者が少なく、LARの患者も対象者に加えた。また、ナラティブアプローチを実施した対象者も7名であり、平成28年5月までに予定の人数に達する予定であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度4月~6月は、術後排便障害介入プログラムの作成を行い、7月以降は術後排便障害介入プログラムの検証を行う。 ・直腸手術後の排便状態アセスメントシートの改良と排便障害に対する看護介入について、27年度に得られたデータから解決策を医師を含めた研究者間で検討し、術後排便障害介入プログラムを作成する。 ・術後排便障害介入プログラムの検証を行うため、研究協力の得られたISR15名、LAR15名に看護介入を行う。看護介入初回は、直腸手術後の排便状態アセスメントシートの評価、主観的QOLとしてSEIQoL-DW、自己効力感を行う。2回目以降は直腸手術後の排便状態アセスメントシートの評価、GROWモデル(目標の設定・現状把握・方法の選択・目標達成の意思確認)を行う。さらに、自己効力感の低い対象者に対してはGROWモデルの前に自己効力感の向上のために言語的説得、遂行行動の達成、代理経験、生理的情動状態に関して看護介入する。1人への介入期間は1年から1年6か月を予定している。
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Causes of Carryover |
当初の予定ではモバイルノートパソコンを研究代表者と研究分担者がデータ分析に使用するため2台購入予定で計上していたが、モバイルノートパソコンの価格が予定していた価格よりも高くなってしまった。そのため、研究分担者のノートパソコンの購入は、次年度の予算と合わせて購入することにし、27年度の予算のうち10万円が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
設備備品費として、モバイルノートパソコン1台を購入する。また、消耗品として自己効力感尺度ほか、学会参加のための国内旅費、外国旅費及び資料整理の謝金に充てる。
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