2020 Fiscal Year Research-status Report
生体肝移植ドナーの術後支援に向けた相談システムの開発と評価
Project/Area Number |
15K11582
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
師岡 友紀 武庫川女子大学, 看護学部, 准教授 (40379269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 弥須子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (10321134)
梅下 浩司 大阪大学, 医学系研究科, 名誉教授 (60252649)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 生体肝移植 / 生体ドナー / QOL / 支援 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究計画は、①生体肝ドナー相談システムとして運用するサイト(ホームページ)を、研究責任者および分担者の所属施設変更に合わせて修正と運用上の再検討を行うこと、および、②相談システムに関するエキスパートパネルを開催し、生体肝移植に関わる医師およびレシピエント移植コーディネーターより意見を聴取し、意義や効果、課題を明らかにすることであった。 所属施設変更に伴うサイトの運用上の課題については、研究責任者の所属機関内のシステム利用が可能であることが判明したため、サーバ変更の手続きをとり運用に向けた準備を進めた。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、対面でエキスパートパネルを開催することが困難となった。オンライン会議の開催を計画したものの、協力が得られることを期待していた医師やコーディネーターの業務多忙にて、依頼をすることが困難な状況となった。そこで、さらなる計画変更を行い、オンラインアンケートのみで評価を行うこととしたが、研究責任者の教育業務が多忙となり、計画どおりに実施することができなかった。実施困難となった背景には、オンラインによるアンケートやインタビューに関する知識や経験がともに不足していた状況もある。 延長申請が可能と明らかになったため、研究分担者とともに計画を再検討し、相談システムの評価はオンラインアンケートとインタビューの併用で2021年夏に行う計画とした。また、前年度、国際学会発表を行った内容(生体肝移植レシピエント、ドナー、家族の抱える課題)を英語論文としてまとめ、2021年中にClinical Nursing に投稿する準備と、2021年8月を目標に相談システムであるホームページに掲載する準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究責任者および分担者の所属機関変更に伴い、サイトの修正と運用上の変更手続きが必要となったが、所属機関変更後、情報不足により速やかに関係部署に相談することができなかった。現在は情報を得て専門家より支援を得ながら、サーバ変更と内容の整備を進めている。また、新型コロナウイルス感染症流行の影響のため、生体肝移植に関わる専門家の業務多忙により協力を得られない状況となったこと、研究責任者の業務多忙とオンラインによる研究の知識と経験の不足などにより、研究計画の変更を行うのみで、実施に至ることができなかったが、オンライン調査の知識を得て実施の見通しは立っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
相談システムであるサイトの修正と情報追加、そして研究責任者の現在の所属施設での本格的運用に向け、関係部署と調整しプライバシーポリシーを整える。また、サイトに関して、生体肝移植に関わる医師、レシピエント移植コーディネーターに、2021年8月にオンラインアンケート及びインタビューを行い評価を得る。そのことで、実用における課題を見出し改善する。 また、2021年11月の移植・再生医療看護学会でホームページの内容の紹介と期待される効果について発表するとともに、2021年中にClinical Nursingに投稿し、今後の活用可能性を広げる。実際に対象が活用する相談システムの運用に至ることは、現段階では困難であるが、医師、コーディネーターが活用可能なサイトとして、成果発表を通して広報する。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた対象者(生体肝ドナー)の調査が困難となったこと、それに代替するエキスパートパネルの開催も困難となったことにより、倫理審査委員会の審査費用、会議費、旅費などが使用の必要がなくなり残額が発生している。今年度は、研究計画を立て直すことが主であったため、残額がある。 次年度は、移植医やコーディネーター対象への意見聴取にあたり謝金等が必要である。また、インタビューデータの分析の効率化のため、分析ソフトの購入を行う。研究計画が変更となったことで使用の必要がなくなった予算は返還予定である。
|
Remarks |
相談システムとして稼働する予定のサイト(ホームページ)は、現在、所属機関および業者との間でサーバ乗り換えのための手続き中である。
|