2015 Fiscal Year Research-status Report
1型糖尿病患者のアセスメントツールの作成と有用性の検証-レジリエンスの視点から
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15K11586
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
西尾 育子 鳥取大学, 医学部, 講師 (80402163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中條 雅美 鳥取大学, 医学部, 教授 (20382426)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / 成人 / レジリエンス / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究結果をもとに,レジリエンスが機能するプロセスに働きかける因子である体調の変化,インスリン療法の実行度,他者との関係性についてインタビュー調査を行い,質的に分析した.その分析結果から,アセスメントツールに必要な要素を抽出した. 前年度の研究結果とGrotberg(1995)のレジリエンスの性質および要因の考え方を参考にしたアセスメント項目として,基本的属性,治療状況(指示インスリン,低血糖対処),個人の内面の力,対人関係,周囲からの支援,問題解決能力とする. レジリエンスを問えるように尺度化する.尺度タイプにはリッカート型を採用する. アセスメントツールの原案作成にあたっては,看護学だけではなく,レジリエンスという心理学も併用しているため,慢性病看護学専門家である中條雅美氏,臨床心理学専門の研究者にスーパーバイズをもらった.また,最新のレジリエンスの研究にも目を配りつつ,アセスメントツールの原案作成を目指すことを行った. 平成27年度の研究結果は,定期的にまとめ,国際学会に3回(The Asian Symposium on Health Infomatics and Nursing Education:8月,International Nursing Conference;10月,East Asia Forum of Nursing Scholars;3月),国際学術誌2本論文(Yonago Acta medica,International Nursing &clinical Practice)を発表した.これらの学会や研究会の発表で得られた問題点を整理・検討を行ない,次年度の準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究結果をまとめ,アセスメントツールの作成を行う作成したアセスメントツールを使用し,糖尿病内科外来通院中の1型糖尿病患者に実施および評価を行い,1回目の有用性の検証を行う. アセスメントツールの有用性の検証方法は,鳥取大学医学部附属病院および特定医療法人財団同愛会博愛病院,鳥取県立中央病院(現在交渉中),松江赤十字病院(現在交渉中)の糖尿病内科外来通院中の20歳以上65歳以下の1型糖尿病患者60名および1型糖尿病患者に携わる外来看護師20名を研究対象者とし,作成したアセスメントツールを1型糖尿病患者に使用し,アセスメントツールの評価を行う. アセスメントツールの実用可能性の評価として,アセスメントツールの内的整合性・安定性・構成概念妥当性とする. 1型糖尿病患者60名に使用したアセスメントツールにおいて全項目に回答があったデータを分析対象とする.分析方法は,アセスメントツールの内的整合性の検討にはα係数を算出し,安定性・構成概念の妥当性の検討には,全項目の総得点と各項目の得点の相関係数を算出する. アセスメントツールの内容の容易度,記録形式の簡便性,看護診断の必要性の評価としてアセスメントツールを使用した糖尿病内科外来看護師20名に自記式質問紙を配布し,無記名で回答してもらう.分析方法はすべての項目に対し記述統計を行い,統計的検定および効果量を算出する.自由記述(良かった点,改善が必要な点)についての分析は,記述の意味内容を解釈し,コード化を行い意味内容の類似性・相違性に従い,カテゴリー化する.
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Research Products
(10 results)