2016 Fiscal Year Research-status Report
在宅で療養する慢性心不全患者の自己管理と患者を支える家族の支援に向けた実態調査
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15K11587
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
二井谷 真由美 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 講師 (30326441)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 慢性心不全 / 在宅 / 家族 / 負担 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性心不全と診断され外来通院している患者と家族に対し、自由記述欄を設けた自己記入式半構成的質問紙を用いた横断調査を実施することにより、① 在宅で療養している心不全患者と家族の心理状態(抑うつ、不安)とQOL、家族の負担感について明らかにすること、② 患者のセルフケア行動に、患者と家族の心理状態が影響を及ぼすか否かを明らかにすること、さらに③ 患者と同居する家族が抱く困難感や必要とする支援について、その内容を具体的に明らかにすることを目的としている。平成28年度に配布期間を計画より6カ月間延長し、広島県内の循環器専門外来をもつ4病院において、患者とその家族(患者が主たる支援者と認知している者)496ペアに質問紙を配布し、361家族より回答が得られた(回収率72.8%)。 本研究では、心不全の原因疾患については問わず対象者を選定したが、注目すべき結果の一部として、原因疾患によって、家族の介護負担感には違いがみられた。心筋症7.10(SD 7.232)、弁膜症5.00 (SD 9.110)、虚血性心疾患4.29(SD 6.544)、不整脈 2.29 (SD3.592)、高血圧 1.50 (SD 2.121) となった。 患者を看病する上での困難感については、食事管理に関係する回答が最も多く、つづいて受診に要する負担や病院の対応に関すること、患者との接し方に関することなどが記述された。「家族での話し合いの結果、病状について本人に知らせていないが、とても前向きに頑張る姿を目前にして、苦しい思いでいっぱい。病気の進行について、若いころから向き合うべきだったのかも、と思う気持ちも出てきた」など病状の告知や病気のとらえ方に関することや、併発している疾患への対応への苦慮などもあった。 今後は、さらに詳細な解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
修正した計画通りに配布を完了し、概ね予定通りの回収を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
これから、詳細に分析を行うことにより、今後の介入への具体的な示唆となる結果を導きだすことができると考える。また、その結果を広く学会などで発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
配布が遅れたことにより、平成28年度に予定していた学会での発表に至らなかった。そのため、旅費等が未使用となり、次年度へ繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質問紙の配布・回収がすべて終了したので、平成29年度は結果をまとめ、発表を行う予定である。
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