2016 Fiscal Year Research-status Report
HTLV-1関連脊髄症患者のセルフマネジメントを査定するツールの開発
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15K11590
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山口 さおり 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (10404477)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | HTLV-1関連脊髄症 / セルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、HTLV-1関連脊髄症(以下、HAMと略す)患者の体験世界である病いの構造を明らかにし、そこに内包される意味から、HAM患者のQOLの維持・向上に寄与する看護実践方法論を構築するという全体構想を持つ。その全体構想における本研究の具体的な目的は、HAM患者のセルフマネジメントを査定するツール(以下、セルフマネジメントスケールとする)を開発することである。 平成28年度、本研究の先行研究として位置付けるHAM患者のセルフマネジメントプロセスに関する研究を継続して実施した。最終的な成果として、HAM患者のセルフマネジメントプロセスを理論化し、構成する概念やカテゴリーが表わす現象を明らかにするまでには至っていないが、研究対象から貴重なデータを収集することができているので、平成29年度も継続して分析に取り組み、セルフマネジメントスケールの原案となるHAM患者のセルフマネジメントを構成する要素を抽出できるよう鋭意取り組んでいく。 一方、慢性疾患患者のセルフマネジメントスケールに関する文献検討については、学会で得た難病患者のセルフマネジメントに関する知見を踏まえながら、文献を収集中である。平成29年度も継続して文献検討を重ね、セルフマネジメントスケールが備えるべき特徴を明らかにしていきたい。加えて、学会等への参加を通じて得た、HAMやHTLV-1に纏わる医学研究の最新の知見は、セルフマネジメントスケールの原案を作成する際の資料として活用していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先行研究の遅れに伴い、本研究の遂行が遅れている。研究以外の本務との調整を図りながら、研究遂行のための時間の確保に努めているが、十分ではなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、引き続き先行研究の理論化を目指して研究に取り組み、HAM患者のセルフマネジメントを構成する要素を抽出する。また、慢性疾患をもつ患者のセルフマネジメントスケールに関する文献の検討も進め、HAM患者のセルフマネジメントスケールの特徴を明らかにし、原案の作成に取り組む。
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Causes of Carryover |
研究遂行の遅れに伴い、本研究に関する指導・助言を受けるための謝金や旅費、また分析用のソフト等の購入に助成金を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、当該年度の助成金と繰り越し分を合わせて、研究に関する指導・助言を受けることに対する謝金や旅費、分析用のソフト購入等に使用する計画である。
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