2017 Fiscal Year Research-status Report
血友病医療における病院と在宅をつなぐ看護ケアの検証
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15K11598
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
九津見 雅美 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (60549583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 佳代子 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (30722839)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血友病 / 保因者 / 患者会 / セルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
【調査概要】平成29年度は、患者および家族へのインタビューを実施した。その内訳は患者4名、患者母4名、患者父1名、患者妹1名である。聞き取り内容は、基本属性と医療経験の概略、疾患理解(血友病をどのように知ったのか)、自己注射手技獲得の実際、保因者の自覚症状および保因者診断等について、社会生活を営む上で助言などを受けた経験、血友病医療の現状評価と今後への期待等である。また、薬害以前から血友病医療に携わっていた医師1名へもインタビューを実施した。 【結果概要】患者は年代により血液凝固因子製剤(以下、製剤)の定期輸注の導入時期が異なっており、この理由として製剤の進歩によるところが非常に大きいと推察された。患者にとって加齢などの影響によって自覚される症状が変わることが製剤の投与頻度や投与方法を変更するきっかけとなっていた。年代によって薬害に対する捉え方も異なっていた。 今回インタビューを受けてくれた患者母には自身の家系内に血縁者に血友病者がいなかった。そのため子どもに青あざができたこと等がきっかけで病院を受診し検査を受け、その結果子どもが血友病であることを知るに至っていた。母は家庭輸注ができるようになるまで病院に通い製剤投与をしてもらったり、自宅内での生活においてもは子どもがケガをしないように非常に配慮をして子育てをしていた。母は保因者である可能性から凝血学的検査を受けることに加え、姉妹がいる場合には保因者である可能性を伝えるなど遺伝に関する説明役割を担っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー対象者にとってはインタビューを受けることにためらいのある方もおられ、インタビュー調査の日程調整などに予想以上に手間取ったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度にリクルートできなかった対象(患者30代、40代、患者姉、患者の女きょうだい等)を機縁を用いてアプローチしていき、インタビュー対象者数を増やしていく。インタビュー依頼時には対象の心情にも配慮し丁寧に説明を行っていく。 また平成30年度にはインタビュー結果を反映したアンケート調査を実施予定であるため、インタビューのリクルート・実施と並行して分析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】予定していたインタビュー件数より少なかったため、インタビュー時に使用する交通費・貸会議室代、逐語録作成費用が余剰金となったためである。 【使用計画】平成30年度前半にインタビューを実施し、その費用に充てる予定である。
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