2015 Fiscal Year Research-status Report
循環器疾患で入院した喫煙患者への看護実践(禁煙支援)能力育成プログラムの開発
Project/Area Number |
15K11599
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
岡田 彩子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (10425449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 美紀 梅花女子大学, 看護学部, 准教授 (60326288)
竹原 歩 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (30733498)
奥村 和代 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (20755805)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 循環器看護 / 看護実践 / 禁煙支援 / 患者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
国民医療費が年々増加する中で、一般診療医療費の中で、循環器系疾患は全体の20.7%と最も多く、全体の5分の1を占めている(厚生労働省、2011)。循環器系疾患は、生活習慣との関連が非常に深く、医療費節減には、生活習慣是正に対する介入が最重要である。しかし循環器疾患で入院した患者の多くは、入院中に禁煙を開始するが、多くは退院後に再喫煙している現状が報告されている。そのことから、退院後の患者の再喫煙予防を支援が最重要であると考え、本研究は、循環器疾患で入院した喫煙患者へ有効な禁煙支援ができる看護実践能力育成プログラムの開発を目的とし、1)循環器患者の喫煙状況と看護師が行っている禁煙支援の現状と課題を明らかにする、2)循環器疾患で入院した患者の喫煙・禁煙状況とその特性を明らかにする、そして1)2)の結果から患者ニーズと看護実践のギャップを埋めるために必要な看護師の実践能力の要素を抽出し、禁煙支援における看護実践能力育成プログラムの開発を目的とする。
本年度は、1)の循環器患者の喫煙状況と看護師が行っている禁煙支援の現状と課題を明らかにするために、看護師としての経験年数が3年~10年でそのうち循環器病棟き勤務経験が1年以ある看護師を対象に看護師に8名グループインタビュー調査を実施した。インタビュー内容は、1)患者の喫煙状況に関して、ケアをするうえで、気にかけているか、またそれはどのようなときか、2)日ごろのケアの中で、喫煙や禁煙について患者と話をすることがあるか?またそのような時か、どのような内容をどのように話しているか、3)患者教育を行う際に自分に不足していると思うこと、必要な知識についてであった。インタビュー内容の逐語録から看護師の禁煙支援の現状と課題を抽出するために、内容分析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、看護師が行っている禁煙支援の実態と課題を明らかにするために、無記名式の質問紙調査を、循環器専門医が勤務し、かつ敷地内禁煙の施設の看護師を対象に行う予定であったが、研究分担者や協力者との会議を重ねていくうちに、大規模な質問紙調査より、ある程度の看護師経験があり、かつ循環器病棟勤務経験のある管理職ではない看護師を対象としたインタビュー調査のほうがより実態を把握できることに気づいた。したがってより現場に根付いた生々しいデータから看護師が行っている禁煙支援の実態と課題を見つけるため、3年~10年の看護師経験のあり、ある循環器病棟勤務の経験が」1年以上ある管理職や、専門看護師、認定看護師以外の看護師を対象とするインタビューに方法を変更したが、インタビュー実施が順調に進んでいることから、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー内容の分析が終了次第、それらをもとに、看護師が行っている禁煙支援の実態を課題を抽出していく。カリフォルニア大学サンフランシスコ校看護学研究科で循環器看護が専門の研究協力者にスーパーバイズを受け、表面妥当性と内容妥当性を検証し、より実践的な教育プログラム作成に基盤となる指針の作成につなげる。
さらに、循環器疾患で入院した患者の喫煙・禁煙状況とその特性を明らかにすための患者のデータ収集の準備として、質問紙の完成、調査施設のとの調整、を行い、本年度中にデータ収集を終了し、分析と成果の公表の準備を行う。
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Causes of Carryover |
郵送調査から、より実態把握ができる方法のグループインタビュー調査に変更したため、初年度の郵送費がかからなかった。またインタビュー調査に変更することにより、協力施設との調整に時間を要し、2つ目の患者を対象をする研究費櫃よな経費を使用していないことで、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、患者を対象として調査を行う事で、その経費を使用する。さらに、データ収集に係る諸費用および分析に必要な統計ソフトの購入を予定している。
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