2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K11604
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
高田 幸江 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (80529371)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生体腎移植 / ドナー / 看護 / 支援モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は生体腎移植ドナーを術前から術後、生涯に渡り継続的に支援するための、看護支援モデルを開発する事である。研究方法は、ドナー外来、患者会の実態把握、経験者の体験を盛り込んだドナー用パンフレットの作成、看護支援モデルの構築の3つのプロセスで計画した。 平成27年度は1つ目のプロセスを実施した。具体的には、5月にNPO法人日本移植未来プロジェクトの生体腎移植ドナーの患者会に参加、患者会代表との患者会活用の利点と課題についてディスカッションを行った。7月には、中京地区にある生体腎移植件数の多い病院のドナー外来を見学、看護の実際と課題について移植コーディネーターとのディスカッションを行った。 また、本年度は、本研究の基盤となった調査結果を基に、2つの学会において発表を行った。10月には、生体腎移植ドナーに関わる看護師の捉えた看護課題と、生体腎移植ドナーの看護支援ニーズの比較をまとめ、ドイツハノーバーで開催された、4th WANS(World Academy of Nursing Science)において、ポスター発表を行った。12月には、第35回日本看護科学学会において、レシピエントの体調が変化した生体腎移植ドナーの腎提供の認識とその影響について、口演発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、生体腎移植実施施設の移植コーディネーターや看護師と協働し、今までの基盤となった研究結果を基に、生体腎移植ドナー向けのパンフレット作成、看護支援システムの検討を計画している。現場の医療スタッフと共に内容を検討することで、臨床応用に即した内容とすることを目指す。 一つ目のパンフレットの作成の具体的計画は次のとおりである。ドナーのニーズ調査で、実際に移植を経験したドナーの体験が、意思決定や移植に際しての準備のために必要であったという結果が得られているため、パンフレットには実際のドナーの体験談を盛り込むことを計画している。このため、体験談を提供してもらうドナーのインタビューを行なうことも計画している。二つ目は看護支援システムの検討の具体的計画については、次のとおりである。生体腎移植ドナーは提供後は片腎となるため、健康管理が重要であることの他、自身の腎提供の意味づけを行なうために、「経験を語ること」が有効であることの示唆が得られているため、今まで術前のみに実施される傾向のあったドナー面接を、提供術後も定期的に看護支援に組み込むための方略を検討する事についても計画している。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、平成27年度の国際学会旅費を20万円の予算で計上していたが、実際にはドイツでの開催であったため旅費が約30万円、ポスター作製など学会準備のための費用約2万円、合計約32万円の支出であった。このため、平成27年度に科研費の前倒し請求を行ったが、10万円単位の請求であったことから20万円を前倒し請求した。このことから、前倒し請求20万円から、計画以上の実支出分約12万円を差し引いた差額約8万円が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度計画のパンフレット作製のための印刷費用、ドナーの協力謝金、新たな知見を得るための学会参加費などで使用する計画である。
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Research Products
(2 results)