2018 Fiscal Year Research-status Report
本邦のICUにおける緩和ケア導入の検討とケアモデル開発
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15K11606
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
高島 尚美 関東学院大学, 看護学部, 教授 (00299843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西開地 由美 秀明大学, 学校教師学部, その他 (50712725) [Withdrawn]
吉野 靖代 関東学院大学, 看護学部, 助教 (50806255)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ICU / End of Life Care / 意思決定支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、ICUにおいてEnd of Lifeを迎えた患者と家族に関する診療録調査の分析と論文化を実施中である。ICUにおけるEnd of Life Careに関する現状を明らかにする目的で、2014年4月~2016年12月にICUに入室し死亡転帰をとった患者の診療録調査を実施し、2019年集中治療医学会で発表した。結果は、ICUで死亡転帰をたどった125例の診療科は腫瘍内科16.5%、血管外科14.2%、心外12.6%、消内9.4%等であった。入室経路は病棟からが52.8%、手術室22.0%、救急外来20.5%などで13.6%は心停止蘇生後で、APACHE2スコア平均値は32.8±10.9、在室日数中央値は1.77(0.019-178.4)日だった。医療状況は、気管挿管56.7%、昇圧剤使用81.9%、輸血使用45.7%、持続栄養投与20.5%だった。DNARは44.9%、withhold(治療の差し控え)は39.4%で、両方とも経年的に増加し、年齢や疾患群、入室経路による有意差はなかった。治療に関する意思決定プロセスの看護記録は62.4%で、家族介入に関する記載は90.0%あり、その内容は傾聴や休息への配慮、ICや看取りのための細やかな連絡調整および清潔ケアやエンゼルケアへの家族参加に関することだった。患者の治療に関する意思決定プロセスにおいて、家族によって患者の推定意思を尊重した治療選択や家族介入が記載されていることは、End of Life Care実施の証拠となり得ると考える。しかし、患者本人の事前意思表示は皆無で、治療に関する意思確認は困難な状況も明らかとなり、その意思決定プロセスにどのように看護師が関わるかはEnd of Life Careの今後の重要な課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで海外文献も含めた文献レビューから診療録調査へと研究を進めてきたが、診療録の記述部分の分析で難渋しており論文化が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
このまま診療録の記述部分の内容分析をすすめて論文化し、現在のICUにおけるEnd of Lifeの実態を明らかにすることで、本邦における望ましいケアについて提案する予定である。
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Causes of Carryover |
論文化が遅れているため、それにかかる費用を残した。
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