2015 Fiscal Year Research-status Report
ICTを利用した糖尿病患者に対するソーシャル・サポートの有用性に関する研究
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15K11611
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Research Institution | Shijonawate Gakuen University |
Principal Investigator |
藤永 新子 四條畷学園大学, 看護学部, 准教授 (70508663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 博 梅花女子大学, 看護学部, 助教 (10739775)
東 ますみ 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (50310743)
鈴木 幸子 四條畷学園大学, 看護学部, 教授 (60285319)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 同病者支援 / 患者会 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者会の現状を明らかにし,同病者支援について検討するために,平成27年10月に関西地区の医療施設413件に対し,無記名自記式質問紙法を実施し,158件の施設から回答を得た(回収率38.2%). 患者会のある施設は69.0%,患者会のない施設は31.0%であった.患者会のある施設の参加者は,65歳以上が83.5%であり、患者会の開催は,「活動していないは22%、6ヶ月毎は22%が一番多く,次いで月1回21%,4~5ヶ月に1回18%,2~3ヶ月に1回17%であり,勉強会やレクレーション,医療者や同病者との交流が行われていた.「活動していない」場合は,「参加者の高齢化で参加する人がいない」等が理由であった.患者会の運営で困っているが70.6%あった.会員のほとんどが高齢であり,核となりうる患者がおらず,医療関係者による企画・運営が行なわれていた.ウオーキングなどのイベントを主催しても,日時の関係や身体面への影響から参加者が集まらず,イベントが限定される悪循環を招いていた.さらに,会費収入に頼る組織運営は会員数の減少により資金面の確保が難しく企画内容や運営の制限を招いていた.また,インターネットによる情報収集ができるようになり,患者会から情報を得る必要がなくなったことが特に壮年期の人の参加を阻んでいると考えられた. 患者会のない施設は,その都度患者指導をしていることで必要性を感じていなかった.また,施設で開催する時間や機会・医療スタッフの負担などから,糖尿協会,中核病院の患者会への参加を促していル場合や,勉強会などの催し時に患者間の交流を促していた.現在は自施設でそれぞれに開催しているが,糖尿病患者数が増加していることから、地域を包含した患者会の開催やインターネットを利用した相互支援など,時間や環境を考慮した多様な患者会のあり方が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は患者会へのアンケート調査と並行し、システム開発、ICTシステムの利用施設を確保することを目的にしていた。患者会アンケートは郵送法にて実施し、すでに結果についても学会発表などを行っている。また、27年度はアンケート結果をもとに、システム開発を行う予定であった。そして システム設計が完了した地点で、システムの内容説明を行い、患者様への依頼を行う計画であった。 当初の予定では、3月までにシステムを開発し、4月より、施設へ訪問し同意が得られた施設で患者様を確保し、実働する予定であった。しかし、システム設計において、iPadだけでなく、参加者の携帯やアイフォンなどを利用できるシステムや、エモテイコンの機能などを付加したため、開発の遅れが生じている。そのため、施設確保までには至っていない。 現在、システム設計の開発中であり、5月末をめどに設計者に早急に進めてもらえるように依頼中である。システム開発が完了しだい、前年度の患者会アンケートで興味のある施設に研究依頼を打診し、話を聞くことに同意を得た施設に訪問し、同意が得られれば実働する予定である。 今後の具体的な進行としては、8月の実働を目指し、5月末でのシステム開発を待って、6月7月で各施設に訪問して参加者を募り、8月に一同が顔合わせを行い(来れない場合はスカイプなどを利用)実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ICTを利用した同病者支援は、ネット上で双方がコメントを書き込むことで成り立つものである。お互いが知らない者同士であることや、興味関心が同じ人のグループ形成が重要な要素を持つと考える。さらに、糖尿病患者の多くは、壮年期以降の人が多いことから、ICTを利用したBBTでのやり取りが不慣れな人も多く、そのことも双方のやり取りに影響することが懸念される。参加者へは、その点を理解してもらうようなオリエンテーションや、管理者や専門家からのネット上での誘導も必要と考えている。今後研究が進んでいく中で、半年後にオフ会などを行う予定である。 現在のシステムは、BBTの支援が主眼であるが、状況により、他の機能も付加してく必要があると考える。
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Causes of Carryover |
システム開発費として計上していたが、開発が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
5月末をめどに、システム開発を行なっている。
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Research Products
(2 results)