2016 Fiscal Year Research-status Report
情報提供を基盤とした術後せん妄に対する看護師と家族の協働的ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
15K11614
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Research Institution | Junshin Gakuen University |
Principal Investigator |
福田 和美 純真学園大学, 看護学科, 教授 (50405560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 久子 九州大学, 医学研究院, 教授 (80164127)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / 看護師 / 家族 / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は患者の術後せん妄に対する看護師と家族の協働的ケアプログラムを開発することを目指し、協働的ケアの基盤となる情報提供に着目し、術後せん妄患者と家族の情報共有の現状を明らかにすることを目的としている。そこで看護師と家族の情報共有の現状を把握するために、術後せん妄の有無に関わらず、まずは術直後の患者の家族と看護師の情報共有の現状の把握に努めた。術直後の患者の家族4名とその患者のケアを行った看護師4名を対象とした。術直後の患者のケア場面と家族の面会場面の参加観察、家族と患者のケアを行った看護師に対する半構造化面接を行った。得られたデータは、それぞれ質的に分析した。参加観察で得たデータは副次データとして用いた。 看護師は、患者のケアや家族との対話、事前に収集していた家族の状況から家族の心理状態を捉えていた。また家族が術後早期に患者の面会ができるよう、術直後のケアをスピーディに行っていた。また、家族が患者の今の状態や今後の予定についてイメージできるように具体的な説明を行い、患者の状態に関する情報提供を行っていた。 一方家族は、手術が終了した安堵感を得るとともに、自ら患者の疼痛の有無や麻酔の覚醒状況などの状態を捉え、自己の経験に基づき、解釈していた。また、看護師の説明により患者の状態のイメージはできるものの、患者に装着されている機器やモニターで表示される数字の意味の説明を求めていた。看護師の家族への情報提供の内容以上に家族は様々な視点から情報を求めていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実施にあたり、研究計画書の一部再考を行い、データ収集を行ったこと、フィールドとの調整、対象者へのアプローチに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、術後せん妄を発症した患者の家族と患者のケアを行った看護に半構造化面接を行い、術後せん妄発症時の家族と看護師の情報共有の現状を明らかにする。その後、得られた結果をもとに術後せん妄患者のケア経験のある看護師のフォーカスグループインタビューを行い、情報共有を基盤とした患者の術後せん妄に対する家族と看護師の協働的ケアプログラムの検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況が遅れているため、データ収集や学会参加費等の旅費が少なかった。また、購入予定の備品の購入も遅れていることから次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はデータ収集のためのフィールドへの旅費と成果を国際学会で発表するための旅費として使用する。また、研究協力者への謝礼やデータ整理のための人件費、論文投稿費用に使用する予定である。
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