2016 Fiscal Year Research-status Report
COPD合併非小細胞肺がん患者のQOLの維持を目指したサポーティブケアの構築
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15K11623
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森本 美智子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (50335593)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | QOL / COPD / 肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
COPD合併非小細胞肺がんのQOLを検討するにあたり,まずCOPD患者のQOLを検討した。328名を対象としたCOPD患者のQOLの平均±標準偏差値は,身体機能(Physical function)38.2±10.5,日常役割機能(Role-physical)39.9±10.4,日常役割機能:精神(Role-emotional)44.2±9.8,活力(Vitality)47.7±7.2, 心の健康(Mental health)48.6±7.6, 社会役割機能(Social functioning)42.7±10.5, 体の痛み(Bodily pain)51.1±10.7,全体的健康感(General health)46.4±7.3であった。 息切れの程度が同等である肺がん患者とCOPD患者のQOLを検討すると,Physical component summaryは肺がん患者が44.6±7.0 /COPD患者は43.8±8.4,Mental component summaryは 肺がん患者が49.2±7.0/COPD患者は49.0±8.5でほぼ同様の値が示された。しかし,息切れがgrade3・4の重症になると,COPD患者のPhysical component summary は33.0±10.9,Mental component summary は41.8±12.3と有意に低下していた。これらの結果を基礎としながら,COPD合併非小細胞肺がんのQOLやその推移,それに影響する要因を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
QOLの評価時期および測定因子(変化を規定する因子)について文献レビューで再検討した際に,COPD患者と非小細胞肺がん患者のQOLに著しい違いがあることが示されていた。本邦のCOPD患者のQOLは,諸外国と比べて高く維持されているとの報告もあり,COPD患者と肺がん患者のQOLの違いを先んじて検討したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者は,呼吸器内科病棟の看護師長および看護師であり,協力を得て円滑なデータ収集を行っていく予定である。 調査によって得られた結果は,学会等で発表する。
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Causes of Carryover |
初年度に,当初計画していた機器と同等の測定精度・機能を有する機器で,価格の安い機器を購入したこと,海外での研究情報収集を日程の調整がつかず行えなかったことでH28年度への次年度使用額が生じていた。購入を予定していた機器を,調査の変更のため購入していないことが理由として挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該研究費は,海外での研究発表(外国旅費),論文投稿(論文公正費)などに使用することを計画している。
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