2015 Fiscal Year Research-status Report
がん治療完了~長期生存のがんサバイバーシップケアモデルの構築に関する研究
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15K11629
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
三浦 浅子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (90512517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 佳苗 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20455009)
菊川 幸恵 福島県立医科大学, 看護学部, 助手 (60746999) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がんサバイバー / がん治療後 / 長期生存 / がんサバイバーシップケア / がんサバイバー間の交流 / 学習プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
1.がんサバイバーシップケアモデルの構築に関すること:平成27~28年度は、がんサバイバーに学習の場の提供を目的として、(1)がんサバイバーシップケアの必要性、(2)がん対策基本法の概要、(3)自分の病気を知ることの意義、(4)リラクセーションの実際、(5)栄養と免疫、(6)疼痛とケアなど、6つの学習プログラムを作成した。(1)~(4)は研究班員(共同研究者含む)、(5)管理栄養士、(6)がん性疼痛看護認定看護師に講義ノートの作成と講師を依頼した。 2.町なかがんサロンに関すること:福島県北では、先行的にピアサポートグループが「まちなかがん患者の心のケア」を実施しており、「町なかがんサロン」の名称では利用者が混乱しているという意見があった。そこで、共同研究者と協議して「がん治療後のサバイバーの学習&交流の場」と名称を変更した。学習と交流の場(イベント)は、学習プログラムをもとにミニ学習会と参加者同士の交流とした。構成は、前半30分講義、60分交流会(医療スタッフも参加)、後半30分講義(生活に役立つ情報提供、リラクセーション、栄養、疼痛ケア等は演習)で2時間とした。福島県の病院施設での院内サロン4回(各6~12組の参加、継続して参加)、福島県北の広域でのイベント1回(参加者3名)を行なった。 3.研究に協力する看護師に関すること:広域的なイベントの前に、院内サロンでの協力を求め学習プログラムの展開を試みたので、看護師のほかに医師、医療ソーシャルワーカー、栄養士等に協力を拡大した。福島県北のイベントは研究班員(3名)で対応した。 4.補助金の支出:物品費として論文作成の補助機器、海外学会参加の翻訳機器の購入、旅費は学習&交流の場、日本がん看護学会、アジアがん看護学会(韓国2名参加)の交通費等、講師謝金(2名)、その他は学会参加費、会場費用とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習プログラムの作成が第一と考えたので、院内サロンをしている施設に協力を求め、6個の学習プログラムの作成と「がん治療後のサバイバーの学習&交流の場」を5回開催できた(院内サロン4回、福島市で広域的イベント1回)。福島県内で、ピアサポートとして先行的な活動をしているピアサポート団体と協議を行なうことで、「がん治療後のサバイバーの学習&交流の場」として内容の充実を図ることができた。 がんサバイバーに対してのイベントが多種多様にあるので、科研費補助金研究(基盤C)として採択された研究であることを明記したポスターを作成し、福島県北の医療機関10施設にポスターの掲載を行ない、参加募集を行なった。また、福島県内のピアサポートグループのイベントとの違いを明確にするために、参加希望者に電話で研究概要の説明を行い、参加者に混乱を与えないように留意した。予約で20名を対象としていたが参加者3名と少なかった。広域イベントの参加募集が課題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.がんサバイバーシップケアモデルの構築に関すること:学習プログラム(講義のノートの作成とミニ学習会の実施)の増加を図る。内容として(1)がん化学療法と副作用対策(医師、薬剤師、がん看護専門看護師、がん化学療法認定看護師、毛髪アドバイザー等)(2)緩和ケア(医師、がん看護専門看護師等)(3)放射線療法後の晩期障害(放射線看護のエキスパート)、(4)がん治療後のリハビリテーション(理学療法士)、(5)がん治療後の就業に関すること(就業施設で保健指導をしている看護師)、(6)がん治療後のセクシュアリティに関すること(看護系の研究者等)を計画したい。 2.がん治療後のサバイバーの学習&交流の場の拡大に関すること:平成27年度の院内サロンの協力施設での開催を継続する。この他に、院内サロンの協力施設を1~2箇所拡大していきたい。広域的なイベントについては、福島県内での開催を計画し、1で構築した学習プログラムを順次開催できるようにする。また、平成29年度には、共同研究班員の地域(山形県内)での活動も計画しているので、共同研究者間で協議を行なう。イベント開催にあたっては、院内サロンの医療スタッフや本研究に興味のある看護師の協力を求めることとする。がんサバイバーの交流に関しても、医療スタッフのファシリテーションについても検討していきたい。 3.参加者の評価に関すること:平成27年度は、参加者にイベントの感想や学習ニーズを記述してもらい、その記述から参加者の評価としていた。また、広域的なイベント(研究班員)と院内サロン(医療スタッフ)の評価について、レポートや会議での討議をおこなった。院内サロンの参加者は継続的に参加している人もいるので、学習プログラムの活用についての評価を検討したい。 4.アメリカのがんサバイバーシップケアの実際を知るために、先行研究の共同研究者等の施設等を視察する。
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Causes of Carryover |
研究分担者の支出が少なかったため、97,056円が残金として残った。分担研究者の菊川幸恵が平成28年3月の退職に伴い、分担研究者から削除となる予定だったので、日本がん看護学会の予算5万円が支出されなかった。また、学習プログラム作成の講師謝金について、当初の計画では3万円を予定していたが、プログラム数が多くなることを鑑みて1プログラムについて1万円と見直しを行なった。平成27年度は、6つのプログラムのうち、共同研究班員が4つのプログラムをおこなったので講師謝金4万円を支出する必要がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.平成27年度の残金(97,056円)は、イベントの会場費の補充とする。 2.平成28年度の直接経費150万円の内訳 物品費用は持ち運びが便利なモバイル型ノートパソコンの購入(15万円)、旅費(100万円)は、がんサバイバーの学習&交流の場(イベント)への参加の交通費用、研究会議参加者の交通費用(国内旅費20万円)、アメリカ視察のための海外旅費(90万円)とする。人件費・謝金は、学習プログラムの作成のための講師謝金(15万円)、その他としてイベントの会場費用(6万円)とする。
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Research Products
(5 results)